第438話 隔世対現世


「あ、先輩。とうとう彼が現地プレイヤーと接触しましたよ!」


 現地プレイヤーって、まあ言いたいことはわかるが原住民みたいな言い方だな。ってか、最初の方から原住民と接触していなかったか?


「ん、その現地プレイヤーに何かあるのか?」


「え、知らないんですか? この妖の隔世は現世と隔離されているだけあって、全く別の生態系及び力の序列、が形成されているんですよ!」


「生態系? 力の序列?」


 そりゃ住んでいる生き物が違うんだから当然の話じゃないのか? 妖を生き物と定義して良いのかどうかは知らないが。


「はい! とは言ってもプレイヤーの、ですよ? 例えば現世では人間や獣人、エルフといったプレイヤーから魔物プレイヤーまで沢山の種族が混在しており、それぞれ頂点に君臨する人物がいると思います。もちろん、彼もその内の一人です」


 なるほど、そういう意味だったか。


「ですが、この隔世では種族はほとんど関係がありません。何故ならここにおいての強さは妖によってのみ決められるからです! 強い妖を従えれば従えるほど、そうでなくてもより多くの妖を従えれば従えるほどより強くなることができるのです。そんな世界において種族の壁なんてあってないようなモノですね!」


 そうなのか。確かにこの世界で妖が最も重要だということは分かる。だが、


「それって彼にも当てはまるのか? 彼の強さもこの世界には通用しないのか?」


「えっ、そ、それはー……何事にも例外はあるでしょう? でもそれでも現世ほどは彼の強さが抜きん出ることはないんじゃないですかね? 言ってみれば彼が弱体化するのではなく、周りが強くなる、そんなイメージでしょうか?」


 なるほど、妖の存在によって彼との戦力差が縮まるという訳だな。


「あれ? そういえば現地プレイヤーがどうとか言っていなかったか?」


「あ、そうですよ! それでその現地プレイヤーっていうのが、この妖の隔世で幅を利かせている数人の内の一人なのです! 正確には今回接触したのはその手下に当たりますが」


 そういうことだったのか。


 妖の世界で上り詰めた現地プレイヤーvs現世で力を蓄えまくった彼、というわけか。確かにこれは注目に値するな。


 現世では彼が負けるところなんて天地がひっくり返ったとて考えられなかったが、この隔世ならば或いは……と期待してしまうな。


 私自身彼に勝ってほしいのか、負けて欲しいのか、定まっていない状態だが、それでも彼の力がどれほど通用するのか、そして現地民の力がどれほど彼に牙を剥くのか、楽しみになってきたな。


「え、あれ? ちょっと、何してるんですかこの人!」


 ん、早速第一戦が起こったみたいだな。


「先輩! 今、彼が関所を通ろうとしたんですけど、その時に彼がなんと妖と言ってスケルトンを差し出しましたよ! これって詐欺じゃないんですか!?」


「えぇ……」








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現世って皆さんなんと読みましたか?

私は◯◯◯よと読みましたが、どんな読み方でもOKです!!


よし、飯だ飯。今日の晩御飯も忘れずにお願いします!(は?)

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