第431話 彼対策?
「先輩! 彼に七大罪スキルを取らせずに他のプレイヤーに取らせる方法が分かりましたよ!」
オフィスで後輩に会うと開口一番元気な声でそんなことを発した。朝から勘弁してくれよとも思いつつ、でも流石に内容は気になるから耳を頑張って傾けた。
「ふむ、それはズバリどうやるんだ?」
「それはズバリですね……情報公開です!」
よし、仕事仕事っと。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! まだ終わりじゃないですってば! これから先があるのでちゃんと聞いてください!」
ま、流石にそうだよな。後輩が流石にこんなポンコツな訳が無い。ウチのチームのエースなんだ。しっかりしてもらわねば困る。
普通に情報公開をしたら彼を含む大勢のプレイヤーが集結する。大勢のプレイヤーが集結してしまえば、あとは早い者勝ちか強いもの勝ちになってしまうからな。どちらにおいても彼の右に出るものはいないだろう。
「それでどんな情報公開をするつもりなんだ?」
「はい! 私は彼が余りにも多すぎる情報を持っていることに着目したのです!」
「ほう?」
これは続きが気になってきたな。
「そこで思いついたのは、彼が絶対に間違えてしまう情報を公開することです! 普通のプレイヤーなら絶対に一つの捉え方しかできないのに、彼は二つも三つも解釈ができてしまう、そんな情報を公開するのです! そうすれば彼を完全に出し抜くことはできなくても初動を遅らせることができます!」
「面白いな。それでどんな情報を公開するつもりなんだ?」
「あっ、えっ、そ、それはー……」
よし、今日も一日仕事を頑張るか!
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! だからそれをこれから一緒に先輩と考えたい、ってことですよ! それにアイデア自体は悪くないじゃないですか?」
うーん、どうだかなー。どんな情報を公開するかにもよるが、
「そもそも彼にだけ二つも三つも解釈の仕方があるっていう前提が難しくないか? それなのに彼は正解に辿り着けてしまう可能性もあるのだろう? コストとリターンが釣り合っていないように思えるぞ?」
「うぐっ、」
「それにだな。彼の周りには一応プレイヤーもいるんだぞ? 彼が全ての情報を共有しているとは思わないから、普通に周りのプレイヤーが気づくんじゃないか? 彼には確か有能な部下がいただろう?」
「うぐぐぐぐ……」
「でも、まあそのアイデア、やりようによっては上手くいくかもな」
「えっ!? ほ、本当ですか!?」
「あぁ、情報公開と言ったが何もちゃんとした情報公開する必要はないだろう? 手がかり、とも言えないような奇怪な文章、いや言葉の羅列を公開することで、真に気付けた者だけがゲットできる、みたいにすればいいんじゃないか?」
「いいですね! つまり暗号を用意して、一般プレイヤーは普通に解いてもらって、彼は解けてもその答えがいかようにも取れる、みたいな感じにすればいいわけですね!」
「あぁ、そう言うことだ」
よし、後輩は気づいていないみたいだな。彼女の提案と何も変わっていないことに。
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右手首が痛いです。
と言うわけで今回は皆様に当てはまる七大罪、もしくは七大美徳を教えてください!(は?
今日の私は暴食です!いや、怠惰か?
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