第430話 追詰
「それで具体的に彼を負かせるプランはあるのか?」
「んーっと、特に無いですね」
無いのかよ。あれだけ言っていたからてっきりあると思っていたぞ。ただまあ確かに彼は現時点で相当強いからな、彼が負ける未来が見えない。
「ただ、一つ言えることはありますよ? それは彼が魔王だということです」
「は?」
「この事は勿論彼も分かっているでしょうが、魔王はプレイヤーだとは思われていないのでまだ一度死んでしまったらソレで終わりです。しかし、プレイヤーにはそんなことは関係ありません。寧ろデスペナが無くなるわけですから……」
確かに、ソレはあるだろうな。だが、
「だからと言って彼がNPCになるわけじゃ無いだろう? 別に彼だっていつもの様に何度でも蘇る事はできる」
「本当にそうでしょうか? 確かに蘇る魔王というのもギミックとしてはありでしょう。ただ、魔王が勝つまで蘇り続けるゲーム或いは物語がかつて存在したでしょうか? 善悪はともかく最終的に主人公が勝つのが定石と言えるでしょうし、それを多くの人が望んでいると思います」
「ふむ、そうだな。確かに魔王が何度も復活してしまえば非難は我々の元に殺到するかもしれないな」
「そうですよ! ってかそんなの彼が勝つまでやるって事ですよね? ただのクソゲーですよ?」
ま、それもそうだな。私としても本気で言った訳ではなく、彼ならやりかねないと思っただけだ。
それに関しても予めこちらから言っておけば大丈夫だろう。戦いはルールの中で行うものだからな。
「うむ、魔王復活の件については分かった。だが、流石にプレイヤーが無限にゾンビアタックするだけで彼に勝てるとは思っていないよな?」
「うぐっ……も、勿論ですよ? ちゃんと対策ってのは考えてありますよ!」
「ほう、流石だな。じゃあその素晴らしいプランを教えてもらおうか」
「ぐっ、べ、別に素晴らしいとかは言ってないじゃ無いですか! ただのアイデアというか考えってだけですかね?」
「あぁ、勿論だ。それを教えてくれ」
「むぅ、そんなのなっ、無いに……はっ、七大罪スキル! 七大罪スキルをプレイヤーに取らせるんですよ!」
……絶対に今思いついただろ。はっ、って言ってたし。珍しく彼女を追い詰めたと思ったが上手く躱されてしまったな。
「そうか七大罪か。だが、当然彼も狙っているんじゃ無いのか? それにどうやって誘導するんだ? 情報公開したら当然彼の耳にも届くだろう?」
「そっ、ソレを今から考えるんでしょ! ほら一緒に考えましょう!」
流石にしぶといな。負けず嫌いなだけはある。私はこの後輩よりも負けず嫌いな人間を未だ見たことがないレベルだ。
「はぁ、良いだろう。それにプランとしても悪くは無い。彼は既に七大罪のスキルの一つ憤怒を持っているが、その他のスキルを確実に彼に取らせない方向でいこう」
「はいっ!」
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パンって美味しいですよね!?
今日私はクリームパンとソーセージパンを食べました!(誰得情報
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