第429話 神乃至
ふぅ、やっと彼とのインタビューが終わった。私は何もせずにただ横から見守っていただけなのだが、それでも終わってみるとどっと疲労感が襲ってきた。やはりある程度は気張っていたのだろうな。
「はぁ〜やっと終わりましたね! それにしても彼から直接色んな情報を聞くことができましたね!」
後輩は疲れていないようだ。彼女は自分の興味関心が向くことに関しては無尽蔵の体力を有するからな。ハマるゲームとかを渡したら平気で何十時間とやってのけそうだ。
「そうだな。それにしてもあのイベントは本当にやるつもりなのか?」
「あのイベント? あぁ、最後の方に言ってた奴ですね。え? 逆にやらないんですか?」
……ま、そうだよな。彼女は別に意味もない冗談なんて言わないタイプだ。
「そうか。でも全プレイヤーって言ってたよな? 魔物プレイヤーとかについてはどうするんだ? それに、別に魔王に興味ない人だって大勢色だろう?」
「そりゃ、全員を動員することは不可能でしょうけど、参加するだけで豪華な報酬とに加えて、魔王に与えたダメージによってそれを格段にアップさせればかなり良い反応を示すんじゃないですかね? それに、」
おいおい、もうそんな具体的なことまで考えているのかよ。恐ろしいなこの女は。
「それに?」
「まだただのアイデアにすぎませんか、例えばその期間はデスペナを軽く、もしくは無しにしてもいいかもしれませんね! 得しかない状況を生み出せばそりゃ参加したくなるんじゃないですか?」
はぁ、確かにそうだが。インタビュー中に思いついたとは思えない具体性だな。それこそ随分前から計画を練っていたような雰囲気だ。
「後は、彼と一緒に協力してストーリーを組み立てれば参加しない道理はありませんよ! プレイヤーサイドにも隠し職業や七大罪持ちまでいますからね! 今回のアンケート報酬を使ってしっかり強化してくれればかなり面白い戦いが見られるんじゃないですか?」
おいおい、そんなことまでするのか。もはや完全に彼女の自己満だろって言いたくなるな。だが、それでも気になってしまうのもまた事実だ。
プレイヤーを強化させ、彼を焚き付け、その結果どんな物語が生まれるのか楽しみでしょうがないな。
「そこまで決まっているとはな。じゃあその方向性で進めていこう。後は、彼に対抗できるよう、プレイヤーをもっと強化しないとだな。正直今のままでは勝負は見えているようなものだ」
「お? 先輩意外と乗り気じゃないですか! そうですね、確かに数の利があるとは言え、彼は従魔もいますし、魔物プレイヤー、更には彼のスキルで軍隊をも作れますからねー。まだまだと言っていいでしょう」
「そうだ。だからイベントの準備を進めるとともに、我々はプレイヤー側を強化する。言わば、彼と私たちの勝負とも言えるだろう。彼に勝ってみたいだろう?」
「ふふっ、言いますね、先輩! そうこなくっちゃですよ! いくら彼が凄いとは私たちはこの世界では神なのです! 神の本気を思い知らせてやりましょう!」
後輩のテンションが絶好調に達したな。この状態の彼女は誰にも止められなくなるのと引き換えに、最高の物を生み出してくれる。
それに久方ぶりに私自身の気分も高揚している。まるで私たちもゲームの中に入ることができたみたいだ。
あぁ、こんな気持ちを味合わせてくれた彼には感謝しかないな。その感謝の気持ちを持って、全力で立ち向かおうじゃないか。
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皆さんは乃至という言葉を知っていますか?
中学生の頃先生が使っていたのが初めての出会いでしたが、その時は「は?」って感じでした。
皆さんが「は?」ってなった言葉を教えてください!
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