第427話 傲慢と警戒
「では改めまして本日はどうぞよろしくお願い致します」
「よ、よろしくお願いします……」
そんなこんなで始まった彼へのインタビューに対して、思いの外緊張している自分にビックリした。
なんせ、サービス開始当初からずっとみてきた人でもあるのだ。それなのに、こうして向こうから意識される形で接触することに激しい違和感を覚えている。
憧れていた芸能人と会う、と言うようなものでもない、漠然とした何か。まるで、部屋に置いてある観葉植物に話しかけられているような感覚だ。
「まず最初にこのゲームを始めるきっかけを教えて頂きたいです」
後輩が早速切り出していった。どうやら彼女にアイドリングトークと言う概念はないらしい。まあ、初対面だからそんなもの必要ないかもしれないが。
「は、はい……え、えーっと」
彼も彼で緊張しているのだろうか。いや、緊張というよりは警戒、と言った感じか。まあ、そりゃいきなり運営が押しかけてきたら誰でも驚くし警戒するものだな。
「ゲームを買おうとしたときにたまたま目に留まり面白そうだと思ったからです」
無難な答えだな。嘘ではないが真実でもないようなそんな印象だ。やはり警戒しているのは間違いないようだ。別に我々は彼をとって食おうだとは考えていないから、あとはそれをどう伝えるかなのだが……
「なるほど! それはそれは素敵な出会いをありがとうございます。では、次は少し突っ込んでもよろしいでしょうか。ライト様は日頃あらゆる方法でご自身及び周りの方を強化なされていると思いますが、それは何故ですか?」
彼女はただひたすらに自分の興味が赴くままに質問しているようだ。まあ、私としても気になるし、私だったらそんなにズバズバ行けないだろうから、ある意味これも才能だな。
「強くなりたいからでしょうか?」
「は、はい?」
だが返ってきた答えはあまりにも予想外だった。
我々は、少なくとも私は彼が何か目的があって強くなっているとばかり思っていた。しかし、そこに理由が無いという答えがあると思っていなかった。
いや、ただ彼が警戒してのらりくらりと真実を隠しているだけの方が可能性としては高いか。
我々の前提から間違っていたのだろう。彼に聞けば答えてくれるという
そもそも、誰かに何かを聞くというのはとても傲慢な行為なのだ。自分の為だけに時間を相手に使わせているのだからな。それを無視して自分の欲望のままにやってきたのだからある意味仕方のないことかもしれない。
「自分でも考えてみたのですが大した理由はないと思います。それでも自分が強くなろうとしていると言うことはやはり強くなりたいと心のどこかで思っているのではないでしょうか」
「は、はぁ……」
うむ、かなりガードは堅いようだな。やはりこれは日を改めた方が
「で、では直球で質問させていただきます。何故、ライト様はあれだけ死に続けていらっしゃるのですか?」
え、めっちゃ切り込むやん。
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よし、今日はかなり危なかったですがなんとか間に合いました!
自分はやるべきことができたら、心の中で「俺の勝ち」と勝ち誇ることで毎日頑張っております。
皆様はやる気を出す為の工夫などありますでしょうか?
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