第425話 邂逅前夜
「先輩、彼へのインタビュープロジェクト、急ピッチで仕上げましたよ! まあ、とは言っても大したことじゃないんですけどね」
彼にインタビューするだけでプロジェクト化するとは……それだけで彼の影響力の強さが窺えるな。
まあ全プレイヤーを敵に回しても普通に戦えるどころか多分勝ってしまうのだからそれはしょうがないともいえるだろう。
「随分と早いな。それほどまでに彼に聞きたいことがあったのか?」
「勿論ですよ! 好きな食べ物とかモーニングルーティンとかまだまだ山ほどありますよ!」
え、全然ゲームの内容には関係ないぞ? その山ほどの中にどれだけ有用なものがあるのだろうか。
「他のプレイヤー達へのアンケートも大丈夫なんだろうな? じゃあ早速開始しよう」
「はいっ! って、え? 彼、なんか従魔にとんでもないことしてますよ??」
……今日ばかりは流石に無いと思っていたのだがやはりあるのだな。彼が何かを起こさない日というのはないのだろうな。
彼も人間なのだろう? 家でゴロゴロしたり、好きな人と遊んだりしないのか? これじゃあ毎日ゲームを頑張っている人じゃないか。
ま、それがダメだということは決して無いし、そんな人々がいるおかげで私たちはご飯を食べていけるのだから感謝しなければならない。
「それで彼がどうしたんだ?」
「はぁ、それが彼放射能に曝したカメの従魔をなんと強制進化させたんですよ! ソレでどうなったと思います? なんとそのカメの従魔が扱う毒が放射能の特性を帯びて不可視になっちゃったんです!」
なっちゃったんです、ってそんな簡単に言うなよ。なんだよそのぶっ壊れは。
毒が不可視って……は?
だってほら毒ガスだってそこに存在するのはなんとなく分かるし、臭いとかで気づいたりするものだろう? それなのに見えないって、、ん、臭い?
「もしかして臭いはするのか? 見えないだけで臭いを感じることができればまだ少しはマシだと思うが」
放射能だって言い換えてしまえば分子だ。分子は単体で臭いがするし、そもそも臭いの根源はは分子のはずだ。だったら普通に臭いくらい……
「いや、彼の反応を見ている限りそうではなさそうですね。そもそも放射能の性質を獲得しているので、見えないし、臭いもしないと思いますよ? まあ実際に調べてみないとわかりませんが」
マジかよ、恐ろしいな。彼はこれを狙っていたのか。単に自分が死ぬだけでなくそれによって生み出された環境を利用して従魔を大幅に強化させてしまうとはな。流石と言ったところだろうか。
「先輩! そんなことよりインタビュー行きますよ! 私たちも実際に行って生の彼をみるんですから、早く準備してください!!」
そんなことよりって……でも確かに生の彼をみるのは心躍るな。今までスクリーンの向こう側にしかいなかった人が目の前に現れるのだから。一体どんなことを喋ってくれるのだろうか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
邂逅ってかっこいいですよね!
皆さんが思うかっこいい言葉を教えてくださいな♪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます