第419話 タケコプター
「ちょ、ちょっとこの人親王悪魔を一撃で倒していますよ? これってバグか何かですか? 強すぎですよね?」
な、なんなんだこのスキルは。チートってレベルじゃ無いぞ?
「おい、このスキルの正確な効果を教えてくれ」
「は、はい。このスキルは天絶之剣という名前で、効果を読み上げますね? 天を絶つ最強の剣。上段斬りによってのみ放つことができる。天をも断つその剣はもはや何にも止められない、だそうです」
え、何だよこのスキル。彼はこんなものを生み出してしまったのか。これを彼が使えば確かに親王をワンパンしてしまうのも頷けるな。
いよいよプレイヤーが魔王を倒すのが不可能になったんじゃないか?
「これってプレイヤーが魔王を倒す方法って存在するのか?」
「んー、寝込みを襲うとかですかね?」
プレイヤーは別にゲームの中じゃ寝ないだろ。ってか寝れないし。
「これ、ナーフとかどうします?」
「一人だけのプレイヤーの為にか?」
「いや、だってそのスキルを持ってるのは一人だけかもしれませんが、影響を受ける人は沢山いますよ?」
「それもそうだが、そういう可能性を加味して彼を魔王にしたのだから仕方ないだろう。それに、一人のプレイヤーではなく、魔王なのだからセーフだろ? 成長するラスボスというコンセプトは変わらない」
「そ、そうですね……」
「まあ、これは前もそうだったが彼を弱体化させるのではなく、周りを強くしようとすればいいんじゃないか?」
「でも、それじゃあやっぱり微妙じゃないですか? 続々と隠し職業のプレイヤーも育っては来ていますが、それ以上に彼の成長が早すぎます! 筍なんて目じゃないですよ?」
……筍って。そういえばもう筍の時期か。筍食べたくなってきたな。
「そうだ。イベントで筍を出すのはどうだ?」
「はい??」
「ほら、彼以外を成長させるという名目で筍狩りをさせるんだ。彼は強制参加不可にでもすればいいだろう?」
「そ、それはそうですが……」
彼に以前参加されたイベントは悉く無惨な結果に終わってしまったからな。彼はこちら側なのだ、ならば最初から無視させるのが一番だ。
「私が言いたいのはそういうことじゃなくて、」
「じゃなくて?」
「……いや、アリですね! 筍は直ぐに成長してしまいますから、発生して直ぐに収穫しないとゲットできないようにしましょう!」
「おぉ、良いアイデアだな。じゃあ特別にアイテムボックスの中でも成長するっていうのはどうだ? 時間制限付きでどうにか処理しなければポイントは貰えない、みたいな」
「処理するって……どうするんですか? タケコプターでも作らせるんですか?」
「んー、確かに言われてみればそうだな。じゃあ逆にインベントリの肥やしにしてしまうのはどうだ? わずかな使い道だけ用意しておいて後は野となれ山となれ、だ」
「うわ、それ本当に性格悪いですね」
「何、性格良くてゲームの運営なんてできる訳ないだろう。それに、一昔前に流行ったソシャゲなんかではよくあることだ」
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幼少期には筍は良く食べていたのですが、最近は全く食べてないですね…
食べたいなー
皆さんが今食べたいものを教えて下さいっ!
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