第416話 彼女の噴火


 グラグラグラ


「せ、先輩。今、揺れましたよね?」


「ん、なんのことだ? 彼の姿がか?」


「何言ってるんですか! 地面ですよ地面! 地震が起きたんですかね?」


「何を言ってるここは日本だぞ? 地震なんてものは毎日どこかで何回も起きてるだろ。そんなちょっと揺れたくらいで驚くなよ」


「はぁ? 先輩こそ何言ってるんですか! 地震が毎日起きるような国だからこそちゃんと危機感を持たないとダメでしょ! そんなこと言ってると大きな地震が来た時に逃げ遅れますよ?」


「おいおい、現代の科学を舐めるんじゃないよ。地震については結構なことが明らかになっているんだぞ? 地震は九十年から百五十年のうちに一回大きな地震が来るんだぞ? それで前回来たのが大体十年前くらいだから、私たちが生きている間は大丈夫なんだよ」


「そ、そうなんですか?」


「あぁ、そうだぞ。その大型地震は三回に一回、超弩級の大型地震になるそうなんだが、それがちょうど前回だったのだ。だから恐るるに足りないのさ」


「で、でも!」


「それにだな、今までの研究結果からそういった大型地震がくる直前っていうのはさっききたような小さな地震がピッタリ止むそうだ。そこから四十八時間くらい経過して初めて起こるんだ。つまり、予測可能でそのうちに避難可能なのだ。別に心配することじゃない」


「し、知らなかった……で、でもそれって海溝型地震の話ですよね?」


「ん?」


「直下型地震はどうなんですか? 予測可能なんですか?」


「い、いやぁそれは……」


「直下型地震は海溝型に比べて地震の規模は小さいそうですが、それでも馬鹿にできません。もし首都直下型が起きれば私たちも無視できない規模の損害が生じますよ?」


「そ、そうだな」


「防災についてはちゃんとしているんですか? 個人規模でもそうですが会社規模でもしておかないと、来た時に慌ててしたって無駄ですよ?」


「は、はい」


「日本に安全な場所はないんです。ちゃんとしっかり対策してくださいよ? まずは保存食の水とお米とパンとお菓子、をそれぞれ一週間分くらい用意してください!」


「い、いや別にお菓子はいいだろ。非常時なんだし」


「非常時だからこそです! 災害時に大切なのはメンタルですよ! お菓子があるかないかで本当に変わりますよ? 後は料理もしたいからガスコンロとかも欲しいですね。カップラーメンとか缶詰も!」


 いやいやさっきから飯のことばっかりだな。救助を呼ぶための笛とか、情報収集のための手回しラジオとか、バッテリーとか、着替えとかはいいのか?


 でもまあ彼女のいうことももっともだな。備えるだけ備えておけば憂いはないだろうから、一応しておこう。それにしても社員全員分を賄うとなるとどれだけかかるんだ? ……はぁ、税理士の方と相談しよ。


 ってか、さっき本当に揺れたか?







——————————————————

この話に書いてあることは信用ならないので、皆様もぜひご自分で調べてしっかりと対策してくださいまし。

私は最近防災鞄を用意しました。(手作りですが)皆さんもそれぞれしっかりと備えてくださいね?

一応、私の情報ですと次の大型は超弩級の奴ですので、みんな、生き残るんだぞ…!


(じゃないと僕ちんの貴重な読者様が減ってしまう……

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