第406話 新規プロジェクト
「うわっ、うわー、うわあーあー」
彼女はさっきからずっとこんな調子だ。彼が悪魔相手に蹂躙しているのをずっと引いているのだ。もう弾きすぎてモニターから二キロくらい離れていそうだが、現実の距離は変わっていないからとても不思議である。
まあ、そんなことは置いといて今回は別の仕事があるのだ。彼の監視は彼女に任せてまずはその現場に向かうとしよう。
移動すると言ってもいつものオフィスからオンラインミーティングをするための部屋へと向かうだけだが。
今日は新作についてのミーティングを行う。
今我が社はNSOをメインに運営をしているのだが、それにはいずれ終焉が訪れる、これは悲観的な予想とか言ったものではなく確実にやってくるものだ。
人間には必ず死が訪れるように、ゲームにも確実にサービス終了という終わりが存在する。それは世の中に存在するゲームを見て貰えば分かるだろう。太古から脈々と受け継がれてきたゲームも存在するが流行り廃りというもは確実に存在するのだ。
そして我が社が企業である以上、今の現状に甘んじてはいけないのだ。停滞は後退と同義と捉えて常に変化し続け前に進まねばならないのだ。
それが企業としてのあり方であるし社長として取るべき行動であるのだ。
今回はそれの第一歩となるミーティングだ。気合を入れて臨まなければならないだろう。
「では新作のコンセプトから詰めていきましょう。現状ではメタヴァースを活用としてリアルとバーチャルの融合化、そしてリアルマネートレードを導入することによる仮想現実世界を第二の現実化すること、であります」
「ふむ、」
そう、今回の挑戦はリアルマネートレード制度を導入することにある。今までの企業、これは我が社も含めてだがあらゆる手段を用いてゲームのリアル化を図ってきた。それはグラフィックだったり操作性であったりさまざまな分野においてだ。
だが、それらの手段はもうほとんど飽和状態にあると言っても過言ではない。いや、まだまだ上を目指せるとは思うのだが、今の段階から第二の現実世界となるまでには近いようでかなり分厚い壁がある。
それを打破するのがこのリアルマネートレード、通称RMT制度だ。これを導入してしまえばもうゲームの世界も現実世界と捉えるしかなくなる。むしろ人によってはゲームこそが現実だと捉える人も増えてくるだろう。
その良し悪しはさておき、我々が目指すべき地点はそこなのだ。
ではそれをどうやって実現していくか、だが。今回はそれを有識者、まあただの部下なのだが、と一緒に話し合っていく。
「βテストは行うにしても最初から大規模に行うのは不可能ではないですか? 私たちに世界を牛耳る莫大な富があれば話は別ですが、ログインしてすぐに皆が換金し始めたら対応できないのではないでしょうか?」
「ふむ、お金を欲しがる人からしたらそうかもしれない。だが、ゲームを始める人は皆お金を求めているのだろうか? むしろ今まではお金を払ってゲームをしていたはずだ。ならば基本的に困るような事態にはならないのではないか?」
「ふむ、確かにそうですね。しかし……
議論は続く。
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作者と一緒に作品を作ったり、色んな作品について話し合ったりっていうのは需要あることなのでしょうか、それこそサポーターになるだけの価値が。
なんかこういうとそんなに金が欲しいのか!って思われるかもしれませんが、
せっかくの需要があって供給する意思もあってそれが実現しないのは勿体無いなと思いまして……
難しい話ですね!(・∀・)
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