第404話 ヴェフィト
「あ、先輩。彼がカメちゃんを強制進化させようとしてますよ?」
なんか彼女も彼女で慣れたモンだな。最初はこれだけで怒ってた印象があるんだが、今ではもうただの日常の一部だもんな。人間は慣れる、これは一つの真理だよな。
「そうか、強制進化と言えば素材が必要となってくるだろう? この流れで言うともしかして」
「はい、どうやら彼は自分の従魔をニンニクを素材に進化させるみたいです」
ちょっとこれだけを聞くと面白いな。ニンニクを使って進化させるって前代未聞過ぎるだろ。それに、ニンニクってどうしても臭いイメージしかないんだが、それを食べさせるではなく進化の素材に使うって……色々と大丈夫なのか?
「ん、そもそもなんでニンニクを進化の素材に使おうとしてるんだ? 吸血鬼の弟子に食べさせているのはニンニクが弱点だからだろう? カメは別にニンニクなんて嫌いじゃないだろう」
「えーとそれがですね、彼が今回収穫したニンニクが毒ニンニクと呼ばれるものでそもそも毒が入っているニンニクなんですよ」
おいおい、ってことはあの吸血鬼はニンニク耐性だけでなく毒耐性も身につけているってことか? それは予想外だな。でも確かに効率的ではあるよな。というかニンニク耐性だけをつけると言うのがおかしいのだ。
「ん、そもそも?」
「はい、その毒ニンニクの中でもレア枠としてヒドラニンニクというものが存在するのです。より毒が強くて臭いも酷いという百害あって一利もなさそうな食べ物? なんですがどうやらそれを素材にしたようなんです」
ヒ、ヒドラニンニクか。名前だけ聞くと強そうだよな、……いやそうでもないか?
「それでどんな進化を辿ったんだ?」
「はい、まず進化前なんですが、ダークアポストルヴェノマスタートルという種族でした。そこからダークアポストルヴェフィトタートルへと進化しました」
なんだその頭悪そうな名前は。厨二病真っ只中の中二が考えたんじゃないんだからもっとましな名前はなかったのか?
直訳したらダークアポストルが闇の使徒で、ヴェノムが猛毒、だからヴェノマスターで猛毒の使い手、達人ってことだ。それにタートルが掛けられてヴェノマスタートル、はぁ、ため息しか出ないな。
そして進化先も酷い、ってかどこが変わったのだろうかというくらいほとんど変わっていない気がする。ダークアポストルは据え置きだし、タートルも変わらないだろう? 変わったのはヴェノムがヴェフィトに変わっただけじゃないか。
……ヴェフィトってなんだ?
名前自体はかっこよくはあるのだが、パッと意味が思い浮かばない。私が無知なだけというのは大いに考えうるが、そもそも意味なんてあるのだろうか?
種族名なんていうのはほぼ自動的に生成されるようなものだし、彼が生み出しているのは新種も新種だろうからこんなことになってしまうんだろうな。半分バグだぞ?
「それで名前じゃなくて具体的にどんな部分が変わったんだ?」
「んーと、ちょっとよく分かんないですね」
おい、それでいいのかよ。運営として分からないことがあっていいのか、そして強制進化したというのにも関わらずパッとした違いが分からないなんて……
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ヴェフィトで検索!
それと本編の方で言わなければならないことを二日連続で忘れてしまいました…
明日は必ず言いたいので皆さん覚えておいてくださいm(_ _)m
あ、今日か。
ドクトルスカヤソーセージ→ジャーマンポテト
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