第403話 大蒜
「はぁ、彼ニンニクを食べまくって悪臭無効を獲得しましたよ? ってか悪臭によるダメージって何だよ、って話ですよね」
ま、まあ逆に言えば現実でも唯一臭いは等しくダメージを与えられるのではないか? 精神的ダメージだろうが。
「あ、先輩ってニンニク食べるんですか? 男の人ってなんかニンニク好きなイメージあるんですけど」
なんだその偏見しかないイメージは。まあ、確かに好きな人は多い印象はあるけどもだな。
「私はそうだな、そこまでは食べないな。たまに料理で使う時があれば買って、消費するために食べることははするが、逆に言えばそのくらいだろう」
「へーそうなんですね。因みにどんなニンニク料理を食べるんですか?」
「ペペロンチーノ、とかか?」
「え、普通ですね。家系ラーメンとかじゃないんですか? ガーリックステーキとか、ニンニクチップとか、男の人ってそういうワイルドなのが好みだと思ってたんですが」
「いやいやいや、そりゃ皆人なんだから好みの差くらいはあるだろうよ。女性だからと言って皆パンケーキが好きだとは限らないだろう?」
「ま、まあそうですかね? 私はパンケーキ大好きですけど」
いやまあそうだな、彼女よりもパンケーキを好きな人は今のところ観測されていない。これはそもそも女性の観測人数が少な過ぎるのが原因だろうが。
「とにかく今から私たちもニンニクを食べに行きましょうよ!」
「は?」
「ほら、ガーリックトーストとかアヒージョとかあるでしょ? 彼がしてることを私たちもすることで彼が何を考えているのかを理解しようとする試みなんです!」
いや、なんかそれっぽいことを言っているが、本音が最初に出ちゃってるぞ? ガーリックトーストかアヒージョが食べたいんだろ? 早く楽になった方がいいと思うぞ?
「そうか、でも別に彼の気持ちを理解するだけならニンニクをそのまま食べた方がいいじゃないか?」
「んもーそれを現実でするのはちょっと倫理的にどうなの、って話だから具体的な料理名を出したんですよ? まさか私が食べたいと思ってるって思ってますか? なわけないですよね?」
いやいや本音がダダ漏れしているじゃないか。
「いや、別に誰も気にしないから好きに食べたらいいじゃないか」
「私が気にするんですー! わかりました、もう家系でもステーキでも何でもいいです! 最悪もう何でもいいのでご飯食べに行きましょう!」
最初からそういえば良いものを……
「じゃあ、パスタ屋さんに行こうか」
「えー」
「ペペロンチーノでもいいんだろ?」
——————————————————
この中に私が最近食べた料理が一つだけあります。
空中楼閣→空前絶後→ゴーイングマイウェイ→イマジナリーフレンド
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます