第372話 操られる者


「あ!」


 それは天魔大戦が終結し、その後の宴会も無事に終了した時のことだった。ピザをたらふく食べ、私が買ってきたものにもかなり手がつけられ、皆に眠気が迫っているというカオスな状態の中、彼女が何かを見つけたみたいだった。


「ん、どうしたんだ?」


「えーっと、隠しジョブが見つけられました!」


 ……このタイミングで? おいおい、今は幸せムードだったろうが。謎に始まった宴会で皆楽しく飲み食いしていたと言うのにも関わらずここにきて、そんな爆弾情報が投下されるとは。


 隠しジョブは基本的に隠されているだけあって、強力な職業だ。しかもあの彼に対抗するために作られたものだからより殺傷能力は高く設計されている。そんなものをこの場に投下されたら、、、


「「「……」」」


 一気に会場は冷めきってしまう。今までの宴会ムードはどこへやら一瞬にして全員の気持ちが仕事モードへとシフトさせられた。もはや逆に凄いんじゃないかと思うほどの変わりようだった。彼女がこの会社のことを考えてくれた可能性が僅かながら……ないか。


「それでどんな職業が見つかったんだ?」


「今回発見されたのは傀儡師という職業です!」


「傀儡師?」


「はい、ものを操る職業ですね。最初は物体、それもちょっとしたものしか扱えませんが徐々に人形などの複雑な形をしたものを扱えるようになり、最終的には人間すらも操れるような、そんな職業となっております!」


「そー、そうか」


 いや、なっております! じゃないんだよな。これは今回の職業はかなり強力じゃないか? ものを操って最終的には他人まで? ぶっ壊れだろ。というかもしかしてこれなら彼すらも操れる、なんてことが起きるのかも知れないぞ?


 いや、ないな。


「最終的には、って言ったがそれってどのくらいを想定しているんだ? それに最初はどう言うふうに戦うんだ? と言うか強すぎないか?」


「んもー相変わらず質問が多いですね。んーどのくらい、ですかー。結局その人次第になっちゃうとは思うんですが年単位、までは行かないと思いますよ? 最初はそれこそ石とかを動かして撲殺、とかですかね?」


 とかですかね? っていう内容じゃないぞ撲殺は、物騒すぎるだろう。最近はだいぶと慣れてきたが、女性が口にしているのがどうも違和感がある。でも、逆にそんな女性がいたら意気投合できるのかも知れないな。


 もちろん後輩以外で頼むが。


「んー強さに関してはどうでしょう? そりゃ隠し職業ですからある程度は強いですが、ぶっ壊れってほどでもないと思いますよ? だって、人を操れるようになるって言ってもそれは最終的な話ですし、そこに至るまでが大変ですもの」


「それこそ、この職業は最初だけでなく常にどういう風に戦うか、を考えさせられる職業なのです。自分の力によって操れれるものは増えていきますが、必ずしも強くなるとは限らないのです。例えば人間を操れれるようになっても弱っちい人間を操るくらいなら、自分で作ったお手製の人形の方が強いかも知れません。でも、ずっと人形を操っていたら熟練度はそれ以上伸びません。そのジレンマが自分が成長する度に訪れますから、ある意味一番大変かも知れませんね!」


 いや、それを自分で作って笑顔で解説する貴方が恐ろしいですよ。







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よっし、諦めようとしたけどなんとか投稿できました!

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あと、死にたがりのファンの名称を新たに考えました!

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