第371話 唐突な終戦


「天魔大戦……終わったのか?」


「はい、それもだいぶ前に! 先輩は何してたんですか? 結構長い時間いませんでしたがお腹下してたんですか?」


 いやいやご飯を買いに行ってくると言っただろう。まあ、それにしても長かったからお腹を壊したと思われたのか。


 って、早すぎるだろ! なんだよそれどんなスピードでクリアしているんだ? 天魔大戦だぞ? 普通のクエストじゃないんだからそんなにサクッと終わらせられても困るんだが?


 はぁ……まあこのくらいにしておくか。席をたった私には何もいう資格はないのだろう。それに今はそれよりも大事なことがある。


「それで今は何をしているんだ?」


「え? ピザを食べてますけど。ダメでした?」


「いや、ダメじゃないけど。って良くもないか、私がご飯を買ってくるって言ってたのに。じゃなくて、彼だよ彼! 彼は今何をしているんだ?」


「あぁーそっちですか! 少々お待ちくださいな」


 そう言って彼女は手を洗いに行ってしまった。ここで真っ先にモニターの方ではなく、手洗いにいくところが彼女らしいというか、良い所でもあり悪い所でもあるんだろうな。


「えーっと、ただ今彼は宴会をしておりますね。あ、そうだった、彼が宴会を始めたので私たちが彼らの豪華な食べ物を提供し、そんなことをしていたら当然私たちも美味しいものを食べたくなったからピザを頼んだんでした! 彼らが食べているものを考えればむしろピザだけで良く我慢できたな、ってなりますよこれは!」


 ストップストップ。急に早口で捲し立てないでくれ、一から十まで全部わからなかったぞ。


 宴会か。彼もそんなことをする心はあるんだな。強さ以外何も必要ないと考えていると思ってた、いや彼の行動からはそうとしか思えなかったのだが、こうして彼が宴会しているところを見ると彼も人間だったのだと再認識させられるな。


 にしても、天魔大戦をこのスピードで終わらせられるのはやっぱり人間技じゃないけどな。


「あ、彼寝落ちしちゃってますよ? これ、このまま眠り続けると確か電気ショックで起こされるはずなんですが……まあ待ちましょうか」


「ん、これはどういうことだ?」


「え、先輩何かありましたか? って、えー! なんですかこれは! 従魔同士が戦ってる!? そんな、主人が寝落ちしているっていうのに従魔が仲間割れ? そんなことあるんですか? そもそも何も支持していないのに勝手に動くことってあるんですか??」


「ど、どうだろう。主人と従魔の信頼関係がかなり醸成されていれば、あるいは? だが、本当にありえるのか? だが、仲間割れはどう考えてもおかしいのではないか? 流石にご主人様が起きた後に大目玉を喰らうことは目に見えているだろう」


「確かに、彼がご主人様ですもんね」


「「……」」


 今、後輩と私の思考内容が珍しく一致した。それを考えると我々はただの観察者ということだ。従魔に比べれば幾分とマシだろう。


 人の従魔に対して勝手にこんなことを考えているのは失礼極まりないことだが、彼ならば許してくれることだろう。


 え、ダメ?









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お久しぶりです!!!

今日は二話投稿だぜ!

というわけで今年もよ

ろしくお願いします!




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