第370話 大量廃棄
「天使陣営はまずプレイヤーを向かわせるようですね。かなりの数のプレイヤーたちが戦地に送り込まれています!」
まあ、それもそうだな。彼、ここでは魔王と呼んだ方がわかりやすいか、魔王がプレイヤーをほとんど採用しなかったから必然的に天使側にプレイヤーが流れることになる。そして、人が集まっているのを見て、プレイヤー達は勝ち馬に乗ろうと更にプレイヤーが集結する。
そうして出来上がったのが今のこの天使軍団だ。プレイヤーたちの戦力に関してピンキリだろうが、数は圧倒的な力になる。一騎当千という言葉があるが、それでも限界はある、無限に戦い続けられる人間などいないのだからな。
「あっと、ここで彼がスケルトンを召喚し始めましたよ? って、なんですかこの量は! 天使側のプレイヤーにも匹敵する量じゃないですか! これを個人で召喚するってどんな化け物なんですか彼は!」
まあ、魔王だからな。でも、冷静に一人のプレイヤーがこれだけのことをしているとは考えられないな。
「お、天使側がついに天使を投入しましたよ? これで流れが変わりますかね? あ! これに合わせて彼も従魔を一人向かわせるみたいです! ちゃんと戦況が見えてますね、彼ってもしかして指揮官の才能もあるんじゃないですか?」
おいおい、天使に対して従魔一匹って正気か? だって天使も複数体いるんだぞ? 上位天使ではないにしても天使は悪魔と対になる存在、かなりの強敵なはずだ。それなのにも関わらず従魔一匹だけで済ませようとするのは、流石に甘く見過ぎなのでは?
「あ、勝ちましたね従魔さん。蜘蛛の従魔ってこんなに強かったでしたっけ? 一瞬で倒して、しかも心臓まで確保しちゃってるんですけど。天使の心臓からもスキル取れるんですよね? 彼、もしかしてこの戦いを心臓のバーゲンセールか何かだと勘違いしてないですよね?」
え、倒せたのか? しかもこの短時間で、か? ありえないだろう、常識的に考えて。いや、まあ彼には常識が通用しないっていうことは知っているが、それでもやりすぎじゃないか?
ま、ま、まあ、いいさ。天魔大戦はまだ始まったばかりだからな。ここから更なる天使が追加され、ゆくゆくは上位天使まで参戦してくるはずだ。そんな相手に対して魔王軍は人員が限られている、いくら一騎当千と言っても限界があるはずだ。
時間が経てば経つほど彼は厳しくなり、窮地に立たされるはずだ。
「よし、ちょっとご飯を買いに行ってくる。少し待っていてくれ」
「え、このタイミングでですか? じゃ、じゃあ私はお寿司と焼肉で!」
いやいや、買いに行くと言っただろう。どうやってお寿司と焼肉を買ってくるんだ。お寿司はお持ち帰りできるとしても、焼肉はどうするんだ? スーパーでお肉を買ってきてここで焼くのか? オフィスが終わるぞ? 色んな意味で。
まあ、適当に買ってこよう。どうせ私がしたいのは時間を適当に潰して、彼がキツくなってくるであろうタイミングで帰ることだ。
❇︎
「ふぅ、」
というわけで、私はお寿司のお持ち帰りと焼肉弁当を買ってきた。しかもかなりの量だ。皆働き詰めで疲れているだろうからな、これで皆癒されてくれることだろう。
「あ、先輩やっと帰ってきたんですかー! もー無茶苦茶待ちましたよー! 何してたんですか?」
それもそうだろう、時間を潰すつもりだったが、皆の食料を用意していたのだからな、なんだかんだ時間がかかってしまった。
「先輩がいない間に天魔大戦終わっちゃいましたよ? もちろん彼が勝ちましたよ! で、暇だったからみんなでピザの出前を頼んでちょうど食べ終わったところです!」
「は?」
は?? ちょっと待ってくれ、流石に一旦情報を整理させてくれ、何も、何一つとして情報を受け取れていない自分がいる。
——————————————————
お久しぶりです。
363話が抜けておりました……ごめんなさい、それにしても何故??
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます