第365話 火火比火雷
獄界序列、それは獄界といういわば地獄の世界における強さの指標を表すそのままの意味だ。
そもそも、現在獄界に行けるプレイヤーはまだいないはずだ。それなのにも関わらずそこで四番目に強い存在を現世に呼び出してしまうとは、彼は本当に規格外というか、ぶっ飛んでいるな。
「それで、どうなったんだ? 彼はその獄界序列四位を天魔大戦に駆り出すのか?」
「いや、それなんですけど。どうやらこのモンスターどうやらかなりの戦闘狂らしく……」
「戦闘狂?」
「はい、何故かもう二人で戦いを始めちゃってるんです!」
「何? もう既に戦いを始めているだと?」
それはまさかすぎるな。彼としても味方にする為に呼んだのだろうからこれは予想外だったに違いない。それに加えて相手はかなり強力そうな獄界のモンスターだ。これは天魔大戦前に厄介事が舞い降りてきてしまったな。
「二人の戦いはネームドNPCのヴァールの攻撃から始まりました。その攻撃は羅獄門という技で、地面が溶解しガバッと巨大なモンスターが捕食するように対象者を飲み込む技でした。初っ端の様子見がこれだけの大掛かりな攻撃というのがもう既にこのモンスターの強さを物語っているでしょう」
このモンスターはヴァールというのか、何故その名前になったのか色々と思い当たる節はあるのだが、とにかく、今は目の前の戦いに集中だな。
「彼はほとんど不意打ちに近いその攻撃に対して成す術なく直撃してしまいました。しかし、それしきのことでやられる彼では当然ありませんでした。ヴァールは攻撃を受けても無傷だった彼に相当驚いていたようでした」
そりゃ、彼の強さを初見で見たら誰でも驚いてしまうだろうな。ほぼ全ての攻撃を無力化してしまう姿は、自分の強さに自信があるもの程、大きな衝撃となって跳ね返ってくるだろう。そして、その衝撃に囚われてしまっては、命取りになってしまう。
「彼は、反撃として爆虐魔法、ナパームボムを使用しました。これは水をかけても消えない炎で、攻撃を受けた相手の命尽きるまで身を焦がす炎です」
ふむ、これで決着が着きそうなものだが、彼女のニュアンス的にはまだ終わっていないようだな。
「獄界の奴らに炎は効かなかったのか?」
「えぇ、そう見たいです。なんなら彼のナパームボムを知っている節すらありました。半永久的に身を焦がす炎に対してヴァールは炎纏を使用しました。炎纏は自分自身に炎を纏って攻撃する技です。つまりは、彼の力が逆に利用される形となってしまったのです!」
ふむ、これは今までにない強敵だな。流石は獄界というところか。炎の扱いにも長けており、そもそもの地力も申し分無い。
天魔大戦の相手も恐らくこの程度の強さで来るだろう。つまり、これは次の大戦の未来を占う戦いでもあるというわけだ。さて、どう出る?
「あ、え? なんと彼、従魔を召喚しましたよ? そして人魔一体を使用して個体名ハーゲンとペレ、つまり鳥型のモンスターとマグマモンスターと融合しました! まさか二体融合が可能なんて! あっこ、これは!!」
「これは??」
「なんと彼、その状態で炎雷万招、そして雷纏を使用しました! これって敵のヴァールに完全に対抗してのことですよね?? これはヤバい火力が出ます!」
まさか従魔を組み合わせて自分と一つになることで、相手の強さをも上回ろうとするとは、恐ろしい。これでは彼に相性不利を取ることなんて不可能ではないのか??
——————————————————
投稿できたー!えらいえらいぞ自分!!
褒めてくださいお願いします!私は褒めると伸びる子です!絶対に褒めてください!
今日は好きなモンスターについてお聞きしたいと思います!
あと今日はせっかくなので縛りを設けて、誰かと被ったら負けでお願いします!
不正するかどうかは皆さんに任せます!
というわけで私は、蠍系モンスターでお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます