第358話 彼女の意図
「そ、それでどんな職業にしたんだ?」
「そうですねー、全部教えてもいいんですが、今作成中のものもたくさんありますからねー。お、ちょうど隠し転職クエストを見つけた人がいるみたいですよ! この人を見てみましょう」
は、もういるのか!? それはいくらなんでもちょっと早すぎはしないか? 色々と疑うレベルなんだが。いや、まあ流石に一線を超えるようなことはしていないだろうが、それでもちょっと早すぎるな。
「あー、この人はどうやらそのクエストの出現条件を既に満たしてたみたいですね。通りでこんなに早く出現した訳ですね。私自身もびっくりしましたよー」
いや、お前もびっくりしてたんかい。結構ノリノリだったじゃないか。
「それで、その職業はなんなんだ?」
「んもーせっかちですね先輩は! もっとこう情緒を楽しむみたいな気持ちはないんですか?」
うむ、情緒だの侘び寂びだのは後輩から一番言われたくないな。少なくともそう言った感性は私の方があると思うぞ? まあ、比べるものでもないんだがな。
それに今はただ単に気になっているだけなのだ。彼に対抗するべくした生まれた職業がどんな職業なのかが。
「お、転職クエストを受注しましたね。その名も「刃王への道」!」
「ジンオウ?」
「そうです! 刃の王と書いて刃王! 刃物を扱う専用の職業です! 刃物は刀を含めてかなりの種類がありますからね! それのマイスターになれる職業って最強じゃないですか?」
確かに、刃物全般を扱えると聞けばかなり強そうではあるな。だが、それだけでは分からない。この職業の特殊性を教えてもらわねければ。
「この職業の強みはなんなのだ?」
「んもー、本当に待てないですよねー! でもまあこれは気になってしまいますよね! この職業の効果はシンプルに刃物を使うとその攻撃力が上昇します。そして、刃さえついていればどんな武器種も使用可能ですね! そして、刃とつくものは何も武器だけじゃありませんよね?」
「ん、どういうことだ?」
「水刃や風刃など、刃は至るところにあるのです! それらが全て習得可能になるのです! つまりはそう、斬撃攻撃だけにはなりますが、斬撃において右に出るものはいない、そんな存在になることができるのですっ!!」
「おー」
それは確かに凄いだろう。本人の努力次第では様々な武器種を扱って、魔法とも呼ばれる遠距離攻撃なども織り交ぜながら戦うとても強力なプレイヤーになれそうだ。しかし、
「彼って斬撃無効、どころか物理攻撃無効を持ってるよな? 彼対策なのに彼に全く太刀打ちできそうじゃないのはどう言うことなんだ?」
「そ、それは……強すぎる彼が問題なんです!」
おいおいそれを言っちゃお終いだろう。もしかして、この後輩、自分が色んな職業を作りたかったから彼を出汁にしたんじゃないだろうな?
ま、まあ一つ目だし、この刃王も化けるかもしれないし、今後に期待だな。
それに、このような職業が生まれていくことで、プレイヤー側に希望を持たせることも大きな意義なのだろうし。
……本人は気づいていないようだが。
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思ったよりたくさんのご応募ありがとうございます!!
なるべく全て使いたいと思ってます!が、当分の間は一人一つの採用でいきたいと思ってます!!
称号は……
《秘職者》‥隠された職業の開祖で、その存在を作者に伝承した者に贈られる。貴方の生み出した職業は後世に語り継がれる英雄を生み出すこととなるだろう。
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