第350話 彼女の力の一端
「ねね、先輩先輩。先輩ならー、どんな武器を演舞させます?」
それは今日の夜は馬刺しに決定しようとした時のことだった。後輩がいきなりそんなことを私に聞いてきた。彼が武装演舞を獲得した直後だからまず間違いなくその話をしているのだと、思うが、どんな武器を舞わせるか、かー。考えたこともなかったな。
いや、考えたことある方がおかしいか? まあともかく質問されたからには答えねばならないだろう。そしれ答えるにあたっては現実味があって、できれば面白みも欲しいところだ。
「そうだなー、剣と盾と言う王道な組み合わせは避けたいところだな。個人的には悪魔が彼に負けた手前いいにくいが、やはり銃をたくさん展開して一方的に乱射し続けたいところではあるな」
「うへぇ、趣味丸出しじゃないですか。それに敢えて奇をてらおうとして結局ありきたりですしー。まあ、先輩らしいっちゃらしいですけどね」
ん、これは完全に貶されているよな? 最後の最後でフォローしたかに見せて全然フォローになってないぞ? なんだよ先輩らしいって、私自身が一番理解に苦しんでいるんだが?
「そ、そういうお前はどうなんだ? もし武装演舞を獲得したらどんな使い方をしたいんだ?」
「そうですねー私なら……バトルアックスやハンマーとかの一撃が重たい奴を展開しまくりますかねー。悪魔がスキル使ってた感じで言うと重さを感じてはなかったですから、兎に角一撃が重い武器を集めて、手数を増やして最強にしますね!」
「そ、そうか」
理にかなっていやがる……確かにそれは思いつきもしなかったな。自分が持つ必要がないから機動力も損なわれないし、攻撃力は重力と組み合わせて最強のものが届けられる。ちゃんと強いじゃないか。こう言うところが彼女の天才と言われる所以なんだろうな。
ただのしょうもない質問でこれなのだ、真剣に考えて開発に取り組んだらそりゃもう凄い事になるのは目に見えてるだろう。
「でも確かに銃も捨てがたいですよねー! 対物ライフルとか重くて持ち運びが大変ですし、一発打つのも一苦労ですもんね、それを軽々撃てるってだけでも強いですよね! それに、色んな種類の銃、それこそハンドガンからロケットランチャーまで用意させれば近距離、遠距離に加えてどんな防御も貫けちゃうんじゃないですか?」
おっと、ここで私の案をさらに改良してきたな。これでは先輩の立つ瀬がないじゃないか。
にしても今気づいたんだが、彼女少し脳筋すぎやしないか? 気のせいか? 気のせいであって欲しいんだが?
「あーあー頭を使ったらなんだか疲れちゃいましたねー」
ん、これは? この流れはもしかして……
「いやー少し頭を使うだけでどれだけのカロリーが持っていかれてるんですかね? 全く、もうちょっと燃費をよくして欲しいですねこの体は!」
んー、それはダイエットを頑張っている世の女性に対して失礼じゃなかろうか? いや、なんとか体型を維持している私も含めた世の人類全てに謝罪してほしい。
っかそんなことより、もうこの流れは確定演出ではないか?
「あ、先輩どうかしました? ん、どうもしてないって? おー! じゃあ今から一緒にご飯いけますね! ちょうど私お腹空いてきたんですよいきましょいきましょ! どうもしてないなら連れて行ってくれますよね?」
彼女にそう覗き込まれた時にはもうすでに私の退路は絶たれていた。いや、武装演舞について聞かれた時からもうすでに私の命運は決まっていたのかもしれない。
はぁ、全くこんな事に頭を使ってないでもっと別のところに使って欲しいものだな。
そんなこんなで結局私はいつものように、そして今回はジビエをご馳走した。
お肉から血の味がしたのはきっと気のせいだろう。
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今回は十分前に書き終わりました。誤字あるかもですってか絶対あるよなー。
今回は皆さんに好きな職業(もちろんゲームの話)をお聞きしたいと思います!
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