第349話 彼のやり方
「敵の悪魔の武装演舞には、流石の彼もかなりしんどそうな顔をしていますよ! ここで彼は負けてしまうんですか!?」
いやいやいや、あくまでそれはしんどそうな顔、なんだろう? 実際にしんどいかどうかはまた別の話になってくるぞ。消防署の方からきましたと同じ手口だからな。私は騙されないぞ?
「ここにきて遂にソロの弊害が出始めましたねー。ここにあと一人プレイヤーがいれば彼が攻撃を受け持っている間に攻撃することができますが、彼一人だと敵の攻撃を捌くだけになってしまいます。攻撃ができなければ敵を倒せる通りがありませんからねー。これは中々厳しいんじゃないでしょうか?」
なるほど、確かにそれはソロの弊害と言えるかもしれないな。だが、しかし彼には従魔がいるからな。ソロの絶対的な弊害もある程度は緩和できてしまう。
だが、確かに今この状況に限ってだけいえば、攻撃を捌いているから従魔を召喚することもできない。これは本当に危ないのか? いや、でも流石に信じれないんだよな、彼がピンチということ自体に。
「あ、彼が遂に動きましたよ! え、わ、分け身? か、彼分身しちゃいましたよ!?」
おいおいそれはまさかの対応だな。
「いやーまさか分身するとは……こうなってくると本当に彼はパーティを組む必要がないというか、ソロが向いてますよね。プレイスタイル的にも」
そうだなー。死に続ける姿を見せると言うことはまず間違いなく、彼の強さの秘密は知られているだろうからな。彼の強さの唯一性を維持するためにも彼はソロであり続けなければならないのだろう。なんとも孤独な道だな。
「おー、これで一気に形勢は五分まで戻りましたね! ここからはお互い、あと一押しができるかどうかの差になってくると思いますが……あ! あ、悪魔が武装展開に銃を展開しましたよ!? ハンドガンにショットガンスナイパーまで? こ、こんなのありなんですか?」
ってか、この世界に銃って存在したっけ? しかもそんな現代的な武器まで。
しかし、目の前に広がっている現状はただただ私に銃の存在を伝えてくるのみだ。更に、弾丸の面制圧によって彼をどんどんと追い詰めていく。こ、これはいよいよ本当に不味そうな顔をしているぞ? 万事休すか?
「まあ、でも彼には弾丸効きませんからねー。これは彼の勝ちですね!!」
「え?」
そ、そうなのか? まあ、確かに弾丸も物理攻撃には変わりないんだろうが、それでも、んーありなのか?
「というか、弾丸が効かないって言う前に剣も同じじゃないか? なんで彼は反撃しなかったんだ?」
「え、先輩そんなことも分からないんですか? 剣は振り回してたら近づけないじゃないですか! それに比べて銃は弾を撃ってるだけなんですよ? ってことはそのまま近づけば、ほら簡単にやれちゃいます!」
そう言って彼女が示したモニターには悪魔の心臓を手にした彼の姿があった。
はぁー、そんなのアリとはな。全く、本当に不味そうなのは顔だけだったな。
彼にとっては銃よりも剣の方が厄介というのは、なんだか面白いな。普通の人では困らない点が超人である彼には障害となりうる。これはあらゆる場面で言えるのかもしれない。
ん、心臓?
「おい、もしかして悪魔の心臓を手に入れたと言うことは……」
「はい! 彼が悪魔のスキルを入手するでしょうね! 今回の場合はもちろん、武装演舞になるでしょう!」
彼女は満面の笑みでそう言った。はぁ、なんかもう色々と全部馬鹿馬鹿しくなってくるな。
帰りに馬刺しか鹿肉でも食べようっと。
もちろん、彼女は何も言わずに付いてきてたらふく食べて帰っていった。
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ジビエはあんまり食べたことないから食べてみたいです。猪とか鹿とか熊とか。
お馬さんもあまりないので食べたいです。
皆さんは食べたことありますか? また食べてみたい食べ物なんてありますか?
自分はありすぎる、、、、
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