第347話 彼に聞く物


「本人に直接聞く、だと……?」


「はい! プレイヤーインタビューっていう形式でもアンケートでも良いでしょうし、なんなら彼は側ですからタダの事情聴取と思わせといてしれっと質問を混ぜてみてはいかがですか?」


 タダの事情聴取ってなんだよ。でも、直接聞いてみるっていう発想はなかったな。確かに私はいつも答え合わせはできないと思い込んでいてしまってたが、別にそんなことはなかったんだな。どうやら私は固定概念に囚われていたようだな。


 よし、では彼に直接聞いてみることにしよう。


「ただ、直接聞こうにも今すぐできるわけじゃないからな。インタビュー形式にしろアンケートにしろしっかりとセッティングしないといけないだろう。その他に聞く質問もどうせなら色々と聞いてみたいし……」


「んもー真面目ですね〜。まあ、それで良いんじゃないですか? でもどの形式にしろ彼一人だけに聞いたら怪しまれますし、色々勘ぐられるかもですよ? それに勘ぐられはしなくともその内容があまりにも特殊、異常、異様、なものとなるでしょうから、公開は控えた方が良いかもしれませんねー」


「それもそうだな」


 これは準備にかなり時間がかかるかもしれないな。質問内容に加えてヴァーチャルインタビューならインタビュアーのスキンも考えないとだな。これは私一人でできるわけじゃないし、かと言って他の人にガンガン頼れるかというと、そうでもない。


 だからじっくり準備を進めていかないとだな。まあ、緊急ではないというのが一つの救いだな。緊急も何も完全なる個人的な興味が先行しているのだが、顧客の満足度は測っておいて損はない、むしろこれからのプラスになるだろう。というわけで気長に進めていこう。焦っても仕方がないしな。


「あ、先輩。彼がまた悪魔研究所に足を運んでますよ。ってことは絶対に悪魔を倒そうとしてるってことですよね? あーあー、これでまた彼が強くなっちゃいますね! ん、王都に向かってますよ? つまり王都に悪魔がいるってことですか?」


 悪魔は人間社会に溶け込んでいる、いや紛れ込んでいるからな。人になりすまし悪事を働かせ社会んを混乱に陥れる、そんな存在だ。


 そんな輩が王都にいればその影響力は計り知れない。王都でどのようなポジションに就いているかも重要だろうが、彼の足止めくらいはして欲しいものだ。


「あ、あれ? 主人公王都に入る前に捕まっちゃいましたよ?」


「へ、捕まった?」


「はい、何やら彼が怪しい行動をしてたみたいで、普通に入ろうとしたら止められたみたいです」


 そりゃそうだろー、彼は一体何を考えているん、、、まさか


「彼、その後どうなったんだ?」


「えーっと、その後は普通に捕まって、そのまま牢屋にぶち込まれてましたね。そして事情聴取をくらってますね。自白剤とか飲まされてますけど、全部無効化スキルで無効してますね。自白剤無効にするって頭おかしすぎるでしょ」


 牢屋に入れられて自白剤、か。それが狙いだったのか?


 正直に言って、彼がなんの狙いもなしにむざむざと捕まるとは思えないのだ。何か、手に入れられるもの、もしくは確かめたいことがあるんじゃないのか? そうでなければ捕まる理由がないだろう。


 もしかしたら自白剤を無効化できるか試したかったのか? わざわざそれだけの理由で??


「あ、彼、魔王勅命を使って普通に出してもらってますね。んー、なんでこのタイミングなんでしょうか? 門で止められた時に使っておけばこんなところに入れられなかったでしょうに」


 そう、だよな。でもここで出るということはもうすでに牢屋は用済みということだ。やはり、自白剤を無効化できるか試したかったのか? それとも……?


 私はそのまま延々と悩み続けたが結局、彼の真意はわからなかった。もうこれも、インタビューで答えてもらう他なさそうだ。






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寒くなって参りました。冷え性の私にとって冬は執筆の天敵です。

今年の冬はなんとか冷え性に抵抗したいものです。いつもむざむざとやられているので……


冷え性同士の方、また冷え性に何かを知っている方がいらっしゃいましたらお知らせください。


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