第340話 阿修羅の鼓動


「うぉっ! 中々良い攻撃しますねアシュラ君も! 彼が攻めあぐねているように見えますよ?」


 うん、確かにそうだ。アシュラはさっきはものすごく強いことを力説したが、それよりも彼はもっと強い。そんな彼にこれだけ食い下がっているのは立派だと言えるだろう。彼も反撃の機会を探っているようでなかなか糸口を掴めていないようだ。


 だが、もちろんこれで終わる彼ではない。というか、ここで負けては魔王の名が廃るからな。何かしら策を打つはずだ。


「あ! 彼が全部攻撃を必要最低限の動作でギリギリ避け始めましたよ!? これはもうアシュラくんの攻撃を見切ったということでしょうか?」


 見切っているのは間違いないが、それでもまだ反撃に移っていない。ということはまだまだ余裕はないということだろう。さあ、どうする?


「あーっ! っと、まさかの拳を三連続パリィ!? そ、そんなのアリですか? って、あ」


「あ」


 それはあまりにも一瞬すぎる出来事だった。


 まずは、彼女が驚いたように、アシュラの連続攻撃を三連続パリィすることによってアシュラの体勢を崩させ、一瞬の隙を生み出した。


 そして、彼にはその一瞬で十分だったのだろう。しっかりと腰の入った正拳突きをアシュラの巨体のど真ん中に打ち込み、試合は終了した。


 彼はアシュラと比べて何倍もの小さな体なのに、あの体躯のアシュラを一撃で沈めるとは……なんか色々と世界の理が崩れているような気がする。


 まあ、これが彼の強さと言ったところだろうか。にしてもワンパンで倒すとは思ってもみなかったが。


「って、先輩、彼、ほとんどスキル使ってませんよ!? アシュラくんに合わせて肉弾戦を応じたということでしょうか? 魔法やその他スキルを使えば圧倒できたものを、訓練に為にちょうどよく手を抜きながら最後は王とのしての貫禄を見せつけましたねー。これは天晴れです!」


 スキルをほとんど使わずに、完勝、か。いやまあ当然っちゃ当然なのかもしれないが、アシュラだって相当の猛者だぞ? それに手加減して圧勝するのは流石としか言いようがないだろう。私からも天晴れだ。


「あ! まだ終わってないみたいですよ!? アシュラくんが立ち上がりましたっ!」


「なにっ!?」


 彼が魔王だというのならば、アシュラもまたその配下である、ということか。いやはや一筋縄ではいかない魔王軍だな!


「な、なんとアシュラくんがスキルを使用しました! その名もアシュラビート!」


「アシュラビート!?」


 自身のと神の名を冠したそのスキルが弱いはずがない。体を緋色に染め、瞬く間に彼を追い詰めていく。その様子はまさに鬼神。だが、


「あと一歩、彼には届きませんね……!」


 あぁ、弱くはない、むしろかなり強力なスキルであるアシュラビートを持ってしても彼に傷一つつけることができていない。そして、アシュラビートは無限には続かないはずだ。いや、アシュラはよく健闘した。これは本人にとってもものすごく良い経験となったのだろう。


 彼はそのまま最後の猛追を捌き切り、そのまま戦いを終わらせた。やはり魔王は強かった。





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なんとか間に合った!というかものすごいスピードで執筆できた!

これは誤字が多そうだ……


やはり人は追い詰められると本領を発揮するみたいです(;´∀`)

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