第332話 天使と悪魔の序列


「あ、どうやら彼は再び研究室に戻るようです。まあ、強そうな天使を倒したから当然っちゃ当然ですね。今度は一体どんなスキルを獲得するのでしょうか?」


 それは確かに気になるな。天使、悪魔を問わず、その両者の心臓から得られるスキルというのはそもそも強力だ。今回はその中でもちょっと強めな天使という訳だから、スキルも強力、から結構強力、くらいにはなっているかもしれない。


 そういえば、今回倒した天使がちょっと強め、とは言ったものの、それは天使の中で具体的にはどのくらいの強さなのだろうか。確か天使にも悪魔にも位があったと思うのだが……


「なあ、今回彼が倒した天使の位って全体の中でどのくらいなんだ? というか、天使と悪魔の位ってどうなっているんだ?」


「え? 先輩、そんなことも知らないんですか? 天使と悪魔の階級なんて一般常識だと思うんですが」


 いや、一般常識ではないだろう。それに、一般的には女性はこういうことには興味がないんじゃないか? い、いや、これは別に男女差別ではないぞ? い、一般論だ。


「す、すまない。どこかで聞いたことはあるんだろうが、すっかり忘れてしまってな。私もすっかり歳をとってしまったようだ」


 ここは歳という時間の厚みでガードする。時間というのは不可逆だからこそ、その防壁は簡単に破られるものではない。


 って、私は後輩相手に何を言ってるんだろうか。


「いいでしょう、そのくらいなら教えてあげますよ。ではまず悪魔からですね、悪魔は基本的に貴族の階級を採用しておりますが、このゲームは一番低い階級として騎士爵を採用しております。そこから、準男爵、男爵、子爵、伯爵、侯爵、公爵、大公、そしてその上は王族になり、親王、王、皇帝という風に上がっていきます」


 お、おう。最初は騎士だったのに、最終的には王にまで至るのか。もはや王と皇帝は何が違うんだ、って思うんだが、やっぱりカッコ良さが違うんだろうな。


「そして、次は天使ですが、天使は下から、天使、大天使、権天使、能天使、力天使、主天使、座天使、智天使、熾天使となっております。そして今回彼が倒したのは主天使ですね」


 おー、今度は全てに天使、がついているんだな。ただ、階級が上がっているかどうかは分かりにくくなっている。こういう所でも天使と悪魔は対比されていて面白いな。そして、あれ、天使と悪魔の位は同数と思っていたのだが、悪魔の方が一個多いな。


 これは、天使にも何か隠された存在がいるのか、はたまた悪魔だけが優遇されているのか。でも彼女のことだからなー。いや、見落としている可能性も否定はできないか。優遇している可能性ももちろん高いが。


 って、彼が倒したのが主天使、だって? ってことは下から……六、六番目ということだ。つまりまだあと上に三体もいるってことか。


 まあ、上に行けば行くほど個体数は少なくなっているとは思うが、それにしても憂鬱にならざるを得ないな。天使の余力というのは、そのまま彼の成長の余白、伸びしろということになるんだからな。


 それでいうと、悪魔はもっと酷い事になるのか。うん、王とか皇帝のことは今は考えるのをやめよう。どうせ戦う時は戦うんだからな。戦っていない今からその時を憂いても仕方ないだろう。


「あ、そういえば先輩、彼も今先輩と同じ説明を研究所の爺さんから受けていますよ? もしかして、このまま上位天使たちに喧嘩を売りに言っちゃうかもしれませんね!」


 ……笑えない冗談はよしてくれ。







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今日は皆さんのお好きな魚と魚料理を教えてくださいな!

私は青魚が結構好きです!鯖とか鰯とか!

その中でも味噌煮は好きですねー!


もちろん、お寿司は大好き、という大前提の上ですが。

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