第326話 禁断
「せ、先輩! どこに行くんですか? って、それよりも彼、もう早速やっちゃいましたよ!?」
私がご飯に行こうとしたら、すぐ様彼女に呼び止められてしまった。いつもなら彼女も着いていきたい、と言う風な旨を伝えられるのだが、今回はどうやら違ったようだ。
「早速やった、って何を?」
「何をってそりゃ強制進化でしょ! 彼が従魔にしたモンスターには基本的にこれが行われますからね! もう少し泳がせると思っていたのですが手が早いですねー!」
手が早いって……まあ確かに手は早いな。だが、私は彼女の報告に重要な部分が抜けていることに気がついた。
「ん、でもそうなると何の素材を使ってどういう風に進化したんだ? 強制進化と言えばそこが一番重要だろう?」
「お、よくぞ聞いてくれました! 彼は天使に達に対してなんと悪魔の素材を使ったんですよ! まさか正反対の素材をぶち込むとは流石ですよね! 普通なら躊躇いそうなものですが問答無用で行った結果……天使達は皆、堕天使になってしまいました!」
「だ、堕天使!?」
まさか天使を自らの手で堕落させるとは、いよいよ魔王味が強くなってきたな。にしても天使に悪魔かー。両方を倒せると言うことは両方の力を手にすると言うことでもある。彼がそれに気がつくまではいいかもしれないが、それも時間の問題だろうな。
「あ、後、ついでになんですが、彼が天使達に命名してましたよ、ミエル、イエル、キコエルの三体を、ミエナイ、イエナイ、キコエナイにしてましたよ? これは彼に対して盲目になれ、ってそう言うことなんですかね?」
い、いやー多分違うと思うぞ? 恐らく彼は何の気無しに付けたんだろうな。堕天使になったんだから天使の時と同じ名前にするのも何か違うと思ったんだろう。
「あ、そして更についでなんですが、彼、天使を堕落させたことによって、称号、堕とす者、を獲得しました。LUKにマイナス補正がかかってスキル、禁断の果実を獲得みたいです!」
「ん?」
それ、ついでに言うことか? もっと大々的に報告してもバチは当たらないと思うんだが。LUKにマイナス補正は彼からしたら微々たるものだろうし、禁断の果実はまた、不穏そうな名前のスキルだな。にしても、この称号とスキルも魔王に引っ張られてないか、大丈夫か?
「禁断の果実の効果は、食べるとLUKを下げ、INTを上げる果物を生み出す。また、これを自分以外の生き物に食べさせると、ランダムで状態異常を発生させる。ってものですね。まあ彼からするとそこまで、と言ったところでしょうぁ。まあ面白いスキルではあると思います!」
確かに面白いし、目下、彼の戦力増強にはならなさそうだから、私たち好みのスキルと言えるだろう。
だが、彼女はまたしても大事なことを忘れてはいないだろうか。そう、つい先程まで行っていた選定を。
このスキルが何かと組み合わさることで予想だにしなかったスキルに化けるかもしれない。もしそうなれば……
って、それを今考えても仕方のないことなのか。というか、どうせ強いスキルを獲得してどうせ選定で更に強くなるのだろうから。
恐らく彼女はこれをわかっていたんだろうな。だからあえて何も言わなかったのだろう。
にしても禁断の果実を食べるとは……どんな味なんだろうか??
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お腹すいたよぉーでも今から今から美味しいもの食べにいくよー!
だから今日は物凄く早く執筆も完了しました!!
毎回このくらいでかけたらいいのに笑
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