第323話 尽きない心労
「あ、え、はっ、はーい!?」
選定も終わり、やっとオフィスにいつもの——というには毎日彼女の喧騒に塗れているが——平穏が訪れた、と思った矢先、彼女が素っ頓狂な声を出した。
いつも五月蝿い彼女にであるから特段違和感を感じないものと思うかもしれないが、それにしても少しいつもと違う気がする、心のそこから驚いているような感じなのだ。し全く予想だにしていなかった何かが起きたのだろう。
彼が何かやらかす場合でもあそこまで声を出すことは珍しい。まあ全くないとは言わないが、彼の行動を常に見張っているためある程度は予測できてしまう。そのため、そこまで驚くこともないのだ。どちらかというと驚きよりも呆れ、の方が近いだろう。
だが、今回に限っては呆れを含んでないどころか、現実を受け入れられないくらいには驚いているように見受けられる、一体何があったのだろうか。
「ちょ、ちょっと先輩これみてくださいよ! か、彼が天使に絡まれてますよ!?」
「はっ、はい??」
そこにはリアルタイムでスクリーンに映し出された彼の姿と、それに退治する何体者天使がそこにはいた。
こ、これは確かに彼女が素っ頓狂な声をあげるのも頷けるな。私も年甲斐もなく声を出してしまった。
でも確かに驚きと同時に不可解さも感じる。なぜ、天使の方から彼に接触してきたのだろうか。NPC側からの接触などほとんどの場合においてありえないことだ。それこそ悪魔とか言う異色な存在ではなければ……
「だから、天使、と言うわけか」
「え、え? どう言うことですか先輩、一人で納得してないで私にも教えてくださいよ!」
「あぁ、まああくまで私の予想に過ぎないのだが、彼が魔王を名乗ったよって天使たちの敵対勢力と見做されたのではなろうか。天使は悪魔と同等の対をなす存在、天使の側から接触してきてもなんの問題もない」
「そ、そんなことあるんですか!?」
「分からない、だが先の選定でも選定人が彼のことを魔人か、と尋ねていた。つまり間違いなく彼からは魔の要素が感じられると言うことだろう。そしてそれを天使側が感知したことによって喧嘩を売りにきた、そんなところだろう」
「よりによって彼に、ですかー。これは頭を悩ませる問題ですね。でも確かに彼は今空中を飛んでいて天使の領域にも近いのでしょうね。しかも、魔物に乗って空を飛んでいる。おそらく天使ちゃんは魔物が嫌いだから彼の資質に関係なく喧嘩を売っていたでしょうね」
「あぁ、それは間違いないだろう。今も彼らをまとめて邪悪な目をした穢らわしい魔物よ、と言っているからな。にしてもあまりにも不穏すぎやしないだろうか。これは要観察をする必要があるな。彼が負けるとは思わないが、天使も悪魔と同様に序列がある、全面的な戦いになれば、一般プレイヤーにも影響が出てくるかもしれない」
「む、それは不味いですね。対策を講じなければ……」
「そうだな。だが今は成り行きを見守る他ないだろう。まだ全面戦争になるとも決まっていないわけだからな」
「それもそうですね、バッチリ監視致しましょう!」
はぁ、、、私は心の中で深いため息をついた。いやつかざるを得なかった。
一難さってまた一難とはまさにこのこと、か。彼は本当にゲームから愛されているのだな。
——————————————————
ほんと、気合いって大事ですよね。心の保ちようによって執筆時間が全然変わってきます。
毎日やる気マックスであればいいのですが……
あ、皆さんなら私のやる気をマックスにさせる方法がございますよ!
もう、お分かりですよね??
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます