第321話 圧倒的厨二感
「ふぅ、まだまだ効果は続くみたいですね。お次はギロチンカッターと聖槍、ですか。両方とも人を処刑する為に用いられたものではありますが、中々に面白い組み合わせですね」
面白い、組み合わせ? どこが面白いのだろうか。どちらも物騒な名前のスキルだし、実際に強力なスキルだ。それら二つが掛け合わさることでより強力なスキルが生まれることは確実だろう? これのどこが面白いというのだ?
「片や罪人を殺しまくった装置的な意味合いが強いギロチンと、片や聖人を処刑したことによってその名がついたごく一般的な槍、成り立ちからその性質まで悉く対照的です。それらが組み合わさるとどうなるんでしょうね!」
なるほど、彼女の好奇心の方が上回った、ということか。彼女の原動力は好奇心と美味しそう、の二つに大別されるからな。まあ、美味しそうの方も大きく言えば好奇心なのだが。
でも確かに、組み合わせの方は面白いな。罪人を殺す為に作られたものと、聖人を殺したことによってそう呼ばれるようになったもの。簡単に言えばこういう違いか。それに、面白いのが、どちらも処刑に使われたという共通点がある、ということか。
んー、でもこれを聞いた後でもやはり心配の方が勝ってしまうぞ? なんせ、こんな綺麗に対比された組み合わせなら絶対に強いスキルが生まれるだろう?
「あ、できたみたいですよ! スキルは、断罪絶刀、ですね。厨二全開の名前でカッコいいですね! 効果は、敵対勢力の個体に致死の攻撃を与える、ですね。クールタイムは三日間、ですか。結構長いですね。これなら昔のままの方が強かったんじゃないですか?」」
七十二時間か、そりゃ長いな。でも私が気になるのは致死の攻撃、という文言だな。恐らくだが、私の予想が当たっていれば、、、
「その致死の攻撃、というのは相手を確実に倒すことができるんじゃないか? どんな状況、どんなステータス差にも関わらず。それに、前回のギロチンカッターは確率だった気がするぞ?」
「あーそういうことですか。そう言われるとそれはそれでかなり凶悪ですね……七十二時間のクールタイムも頷けます。にしてもさっきのスキルといい、ちょっと厨二感強くないですか?」
「ふむ、魔王勅命に断罪絶刀、か……」
確かに厨二感は強くなっているな。サンプル数は二つだけだからなんとも言えないとは思うが、関係あるのだろうか。たまたまという可能性も全然ありうるだろう?
「あ、今ログを遡って見たんですが、この選定人が何やら怪しいこと言ってますね。彼に対して、お主魔人か? と尋ねています。つまり、選定の結果にその人の資質や特性、他にも色んな要素が複雑に絡み合ってくる、ということじゃないですかね?」
その人の資質や特性か。……ま、まさか!
「彼が魔王になったから、とでもいうのか!?」
確かに魔王勅命なんかはモロに名前が入っているし、魔王と書いてオウと読ませるというトリッキーなこともしてきている。確かに、そうなってくると一気に信憑性が上がったな。
だが、逆に魔王になっただけでそこまで変わるものなのだろうか。しかも彼の場合は、本当に魔王になったわけではない。あくまで彼が名乗っているだけに過ぎないのだ。職業も確か破戒僧だったはずだ。
ということはただの偶然なのか? でも、選定人が魔人かと聞いた以上、確実になんらかの影響はあると考えた方が良い、ってのも確かか。
でもこれじゃあまりにサンプル数が少なすぎるな少なくとも五人は標本が欲しいところだ。
「あ、次の選定が始まりますよ!」
このテンポ感だ、このテンポ感のせいで上手く考えがまとまらないまま次へと進んでしまう。これはこの選定におけることでも言えるのだが、これまでの彼全体の行動に対しても言えることだ。早い、あまりにも早すぎるのだ、成長のスピードが。
ついていくのも精一杯になってしまうほどに。
「次は、一騎当千と千本桜、みたいですよ! 一体どんなスキルになるんでしょう!?」
でも面白くてついて行かざるを得ないところが彼の魅力であり、恐ろしいところなんだよな。
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さて、ここで問題です!
私、作者のメンタルが病んだ時に皆さんはどうしますか?
模範解答は沢山長文のコメントを送りまくる、です!
皆さんの答えを教えてください!!!
あ、私のメンタルはまだ病んでないですよ?病んだ時に皆さんが慰めてくれるとわかったら頑張れる気がしませんか?( ´∀`)
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