第318話 先輩の反撃


「で、最上階に彼とその鳥型のモンスターが控えている、ってことですか」


「あぁ、そうなるな」


「でも、最上階は逆に今までと違って普通の謁見の間、って感じですね!」


 いや、謁見の間自体普通ではないと思うのだが。まあ、確かに王のイメージ通りの内装だ。彼にもこういう煌びやかにしたいという欲求はあったのだな。今まで強さにしか興味がないとばかり思っていた。


「赤い絨毯に華やかな装飾、これは別に私たちが用意したものじゃないですよね? 運営が用意したって言われても不思議じゃないくらい完成度が高いですね。流石の彼もここでは防衛力よりも見栄えを気にした、ということなんでしょうかね?」


 どうやら彼女も私と同じ結論のようだ。まあ、彼とて人間である、ということだろう。我々としては少し安心できる材料であるな。


「ふぅ、でも見るだけ見といて良かったですね。これだけの内容を知らずにいた、と考えると少し、いやかなり恐ろしいですもんね……」


「だろ? 見といて良かっただろう」


「はい、でも先輩の言いなりになるのは何だか癪でしたが。まあいいでしょう」


 ん、なんで彼女はこんなにも上からなんだ? 一応、私が上司なのだぞ? ……まあ今に始まったことではないからもはやどうでも良くなっているというのもまた悲しい事実なのだ。


「あ、そういえば彼、最上階の内装も運営にお願いしていたな。すっかり忘れていたぞ。それに関しては私もノータッチだから知らなかったのだが、そういえばそうだったな」


「え、そうなんですか!? なんだー。あまりにも完成度が高くて内心とてもびっくりしてましたよー。彼は内装のセンスまでいいのかー、って! 流石に彼もできないことの一つや二つくらいありますよねー!」


「うん、完璧な人間なんてこの世には存在しないからな」


「知ってますよー、そのくらい。ただ、それを実感するのはまた別の話っていうか、とにかく、彼はゲームの世界においてはほぼ完璧なんですから!」


「それは認める」


「あ、ってかそういえば全部見たらご馳走してくれるって言ってましたよね? 今日はとってもフレンチが食べたい気分なんですが!」


「む、フレンチか。イタリアンなんらば私のおすすめの超絶品料理が食べられるお店知っているのだが、フレンチとなると私は門外漢だな」


「あ、やっぱりイタリアンでもいい気分でした! そうですよ、イタリアンにしましょう! 私イタリアン大好きなんですよね!」


 貴方が好きなのはイタリアンではなく、食事という行為そのものだろう。まあ、いい。これで私の勝ちだ。


 ❇︎


「へぇー! ここが先輩おすすめのイタリア料理店なんですねー! 随分と明るくて、広くて子供連れも多いですね! ……って、ファミレスじゃないですかー!!」


「ん、ここの料理はめちゃくちゃ美味しいぞ? それに私は嘘ついてないからな? 私のおすすめ絶品料理が食べられるお店を知っている、としか言ってないからな」


「くっ、このお店がそうだとも、ここにくるとも言ってない、ということですか。この借りは必ず……ピザ、美味しいー!!」


 今日は初白星、の様だな。






——————————————————

もちろん、このお店は私の好きなお店です!皆さんも行ったことあるかな??


そこに行くと全メニュー食べたくなるけどすぐお腹いっぱいになっちゃいます。

安くて美味しい=神


以上!

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