第305話 異なる結果


「お、今回の試合は結構特殊なステージですね。洞窟内が戦場になっててその中がまるで迷路みたいに入り組んでますよ。でも、これだと彼と彼の従魔お得意の広範囲攻撃が封じられちゃいますね。彼は一体どうするんでしょうか?」


 今回のフィールドは薄暗い洞窟だ。確かにそこまでに広さが確保できないから大きなモンスターは投入できないだろうな。しかし、


「確か、暗殺や奇襲といった隠密行動に優れていた従魔がいなかったか? その従魔からすればこのステージでは倒し放題なんじゃなかろうか?」


「む、確かにそうですね。でもその従魔、クモちゃんは先程の試合にも出てましたから二回連続出ることになりますよ? 被っちゃダメと言う訳ではありませんが、まだ出ていない従魔もいる中で二回連続出すでしょうか?」


「ふむ、確かにそう考えると出さなさそうな気もするな」


「あ! どうやらゾンビスライムを投入するみたいです! ん、でもこの洞窟でどうやって戦うのでしょうか。そもそも他の従魔に比べて少し火力不足というか、一対一では強いとは思いますが、多数を相手取るとなるとゾンビスライムが呆気なく倒されそうですが……」


 これも確かに頷けそうな話だ。しかし彼のことだからきっと何か考えがあるのだろう。それに私たちが知らないゾンビスライムの有用性について間違いなく知っていることだろうな。どんな戦略を取るのか楽しみだ。


「んー、両国が端からスタートして、第三勢力である彼、もといゾンビスライムはちょうど中間地点からのスタートのようです。さて、始まりました! ゾンビスライムはたった一人で一体どうするんでしょうか?」


 彼女の独り言がまるで実況のように聞こえるのだが、うむ気のせいであろう。


「おっと、徐に動き始めましたね。しかし、そのあゆみは非常にノロマでとても他の従魔と同じような結果が出せるとは思えません!」


 仮に実況だとしても辛辣すぎるだろ、そのコメントは。でも確かにそのスピードだとゾンビスライムが何かする前に両国が会敵して普通に戦いが始まっちゃうんじゃないか?


「お、ですがとうとうゾンビスライムが一人のプレイヤーと遭遇しました! さて、どんな攻撃を、え、え?」


「ん、どうしたんんだ?」


「い、いや、そのゾンビスライムが攻撃を始めたのですが、ただ単に捕食するだけかと思っていたのですが、まさかこのゾンビスライム、あろうことか捕食して増殖してしまったのです!」


「ぞ、増殖?」


「はい、しかも見た目は食べた時と同じようにすることで、なんと同士討ちまで狙っているのです!」


「な、なんだって!?」


「それだけじゃないですよ? その増殖された方のゾンビスライムも同じように味方を食べて増殖して元の姿で味方を襲いに行くんですよ!? 当然味方は襲われると思っていなから完全に油断しているわけで……」


 な、なんと悍ましい……これほどまでに性格が悪い戦法があるだろうか? しかも、薄暗い洞窟だからこそ細部までの判別がつきづらいとこも上手くこの作戦に働いている。


「あ、ゾンビスライム反対側に向かいましたよ」


 迷路で一瞬、敵かと思った影が味方と分かった時の安堵感は想像に難くない。その安堵感を利用してパクりと捕食、増殖させる。いや、まさかこんな結末を迎えるとは……


 ゾンビスライムだからといって他の従魔よりも弱いと侮っていたのだが、もしかしたら一番厄介で恐ろしいのはこの、小さな生命体なのかも知れないな。


「あ、先輩、両チームとも共に全滅しましたよ」


 従魔単騎で全プレイヤーを全滅させたのは、今の所この従魔だけだ。その事実が何を意味するかは考えるまでもないだろう。







——————————————————

最近調子が良いぜよ!( ´∀`)


こちらでも♡をいただきたいので……そうだ、皆さんの好きなポケモンをお聞きしましょうかね。私が好きなのは、、、重量級が好きですねw


STRとVIT重視でお願いします✧( ・ิϖ・ิ)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る