第284話 骸
「ま、まず死骸魔術について教えてくれないか? そのスキルはどんな効果でいつ取ったんだ?」
最近はちょっと新情報の塊で殴りかかられると、本当に思考が追いつかなくなる。私も歳なのだろうか? 健康には気を使っているつもりなのだが、世知辛いな。
「あ、はい。すみませんね、ではまず死骸魔術の方から説明しますね。死骸魔術を獲得したのはもう直近の直近で、彼がスケルトンを何体も従魔にしたことによってそのスキルを得ました。条件に高位の骸骨を配下に加える、と言うのがありますから、そう言うことなのでしょう」
そう言うことなのでしょう、って。ま、まあ実際にその通りなんだろうから仕方ないのだが。
でも、よくよく考えて見ると高位の骸骨ってなんだ? スケルトンといえばそういったアンデッドモンスターの中でも最弱だろう? 彼女も名だたるとかいってたくらいだし、高位と言う条件に当てはまらない気がするのだが。
「あ、もしかして先輩、高位について疑問に思ってます? それについてもまだ言ってませんでしたね。この階層に出てくる雑魚キャラモンスター軍団、なんと全員レベル三百オーバーなのです!!」
「三百オーバー!?」
ちょっ、ちょっと待て。三百って、は? だって、彼ですら百レベルに到達しているかどうかくらいのラインじゃなかったか? それなのに三百って、頭おかしいだろ!
……いや、だからこその弱モンスター集団なのか。なんでこんな所に、と思っていたのだがまさかそう言う理由だったとはな。
高レベル帯にしようとした結果、弱いモンスターを使わざるを得なかったというわけか。ん、それならレベルを下げてもっと強いモンスターを使えばいいんじゃないか? あまりにも本末転倒な気がするぞ?
ってことは雑魚モンスターを使いたいけど、そのまま出したら弱すぎるからレベルだけ上げまくったってことか? 誰だ、そんな小学生みたいな考えを持っているのは。面白いじゃないか!
でも、三百ってことは優にレベルキャップを超えているよな。確か、前回のアプデでレベルキャップが百から百五十くらいに上がってたと思うのだが、それでもまだ二倍以上のさがついてるんだぞ? これは果たして良いのだろうか。
「そのモンスターたちを見た彼の反応はどうだったんだ?」
「え? 別に普通でしたよ? もの珍しそうにはしていましたが、レアキャラだと思って捕まえたんでしょうね。全くなぜ男の人はこうもレアキャラに惹かれるのでしょうか」
いやいやいやいや、女性だって期間限定ものとか数量限定に弱いでしょうが。って、別に争う気はない。男女ともに人間は限定ものに弱いよね、それだけで良いのだ。
って、そうじゃなくてだ。まあ、彼しか三百レベルを見ていなくて、彼がそんな反応をしているのならば別に慌てる必要も、何かする必要もなさそうな。
「で、死骸魔術の効果がなんだったんだ? もう一度詳しく説明して欲しい」
「あ、確かにそんな話をしていましたね。死骸魔術は元になっている死霊魔術の効果である、使役、召喚、蘇生、呪縛に加えて、奪魂、融魂、授魂の三つの能力が新たに加わりました」
「ダッコン、ユウコン、ジュコン?」
コンコン、コンコン何を言っているんだ? と思ってしまいそうになるが、魂のことだと思われるのでここはグッと堪える。
「はい。それぞれ読んで字の如く魂を奪って、がっちゃんこさせて、魂を授けるって感じですね! これさえあれば自分の好きなようにモンスターを配合できちゃうわけです! マッドですねー!」
なんでマッドですねー、でそんなに嬉しそうなんだ? それに奪うと授けるは分かるけどがっちゃんこって急にお子様目線になったな。訓読みが分からなかったのだろうか?
まあ、私のお財布を懸念してそんなことは口が裂けても喉が張り裂けても言わないのだがな。
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ちなみに奪魂はだつこんと入力した方が変換しやすいですね。(私の場合
機会がありましたらお試しください!
骸っていう字格好良すぎませんか?同士求ム
あ、あとサボってごめんなさい。これからは頑張ります(信用がない
♡よろしくってばよ!
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