第269話 夏バテ


 目が覚めた瞬間、私は理解してしまった。


 そう、私が夏バテであると言うことに。


 私は後輩に連絡し、今日は急用で欠勤すると言うことを伝えた。体調が良くない時に働いても良い成果は決して生まれないのだからな。そして、私は再びベットへと潜った。


 普通に生活していて、二度寝をできる機会なんて滅多にない。できるときにしておかなければ非常に勿体ないからな二度寝は。この世の至高の一つと言っても過言ではないだろう。


 そうやって私は再び夢の中へと落ちていき、目が覚めると昼頃であった。程よい具合に日差しが差し込み、ふんわりとした天気が私を包み込んでくれる。貴方は夏バテなのだからしっかりと、休みなさい、そう私に囁きかけているようにすら思える。


 私はそんな陽だまりの中、意識を覚醒し寝床から起き上がった。時刻は正午を回った十二時半、お昼時だ。


 それにしても昼に起きたのなんていつぶりだろうか? 久しく二度寝なんてしていなかったら新鮮でもあり、喜びすら感じる。何にも追われずにただ自分の好きなように行動する、これのなんと素晴らしいことだろうか。


 私は突如、食欲に襲われた。


 いや、別にお腹が空いているというわけではない。ただ、何かを食べたいという欲求に駆られたのだ。無性に何かを食べたい、貪り尽くしたい。


 ただ、寝起きと言うこともあり、あまり重たいものは食べられないし、年齢的にも健康的なものを食べたい。ヘルシーかつ沢山食べられる料理、そして、夏バテにも効きそうな料理といえば……


「素麺か」


 やはり夏といえば素麺だろう。素麺といえば夏、みたいなところもあるし、今日は素麺を心いくまで食べようじゃないか。


 まずは材料を確認する。うん、いつぞやに誰からもらった素麺があるな。そして、冷蔵庫を見ると、うん、何かは作れそうだ。


 素麺といえば麺つゆでシンプルに食べる、と言うのが一番オーソドックスだとは思うが、それだとすぐに飽きてしまって量を食べることはできない。


 だから今回は少しアレンジをして食べたいと思う。


 まずは白だし。私は白だしが結構好きなのだ。うどんに白だしをぶっかけてネギをかけて食べるだけでも全然大丈夫なくらい、好きなのだ。


 白だしを適当に入れて、アクセントに砂糖を入れる。人間は結局甘味に弱いからな、とりあえず入れておけばまず間違いない。


 そしてそこにごま油をこちらも適量。油を感じたい方はドバドバ入れればいいだろう。資質と糖を組み合わせれば結局何でも美味しくなるのだ。それに、ごま油のこの香り、たまらない。


 油を投入した後は、いくらか攪拌し味見をしながらお好みの塩分になるよう、水で希釈する。


 仕上げはおろしニンニクだ。ニンニクはこの夏を乗り切るために一番必要な食材と言っても過言ではないだろう。我ら人間に力を与えてくれる、偉大な食材だ。ニンニクをお好みすりおろして少し混ぜれば第一工程終了だ。


 このタレが不味くなる道理がないだろう。あ、このタレはしっかりと冷やしておく。食べるときにぬるかったら夏バテ対策にならないからな。


 そして、ここで今回の主役、素麺の登場だ。素麺に関しては普通に茹でてあげて水気をしーっかり切る。水気が残ってタレが薄まるなんて言語道断だからな。


 さあ、いよいよ大詰めだ。素麺を先程のタレに投入し混ぜ合わせ、しっかり絡みついていることを確認しお皿に盛り付ける。トッピングは、ねぎ、ごま、卵黄だ。味変用にツナマヨなんか用意しておくのも悪くないだろう。


 卵白で適当にスープでも作っておけばもう、一丁前に料理が出来あがる。


 さあ、喰らおうか。私を夏バテから解放してくれ!


 ずずずずっ







——————————————————

Youtubeで素麺って調べて美味しそうだと思ったレシピを参考にしてみました!笑


素麺が食べたくなりましたね!


美味しそうと思った方は♡を押してくださると嬉しいです!


皆さんお好きな麺料理を教えてくださいな♪

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る