第268話 バグと誘導
「あ、先輩。彼がどうやら条件をちゃんと全部クリアしたようです。今から、機械のところに向かうようですが、どんなスキルになるんでしょうね?」
拘束の進化先か。パッと思いついたので言うと、捕縛、とかだろうか。どれくらいの強化幅があるのかにもよるが、地縛転生とかか? ……流石にないか。
「どれだけ強化されるかにもよるだろうからな。スキルの強化は今回が初めてだからこれを試金石として間会える、って感じなんだろうな」
「いやいやいや、今回の強化がどうなるか聞いてるんですよ? これが試金石になるだろうね、って小学生でもわかることドヤ顔で言わないでくださいよ!」
「……」
字面だけで見るときつい言い方だが、後輩の顔は笑っているから別に私に怒っていたり、責めようとしてはないのだろう。だよな? 頼むぞ? ってか、私先輩だぞ?
「あ、どうやら強化が終わりましたよ! えーっと強化されたスキルは……ん、高速拘束?」
拘束拘束? どう言うスキルなんだそれは。全く予想だにしないスキルというか。というか、今までに見たことのないフォーマットだな。同じ言葉を重ねてるスキルなんて今で存在したか?
「でも、これは確かに強化されてますし、理にかなっているといえば理にかなってるんですよね……」
え、理にかなっているのか!? それに、確かに強化されている、と言うのはどういうことだ? 拘束拘束とは一体どんなスキルなんだ?
「頼む、スキルの効果を教えてくれないか?」
「あ、まだ言ってませんでしたね。スキルがあまりに予想外すぎたので呆気に取られてましたよ!」
彼女が呆気に取られるほどのスキル。彼はまた恐ろしいスキルを獲得したのだということはこの時点でも分かるな。
「えーっとスキルの名前は、高速拘束です。効果は、対象を高速で拘束する、と言うものですね。熟練度に応じてそのスピードは上がるようで、魔力をどれだけ注ぎ込むかによって拘束の強度も変化するようです」
ん、高速で拘束する? スピードが上昇する? もしかして……
「もしかして、スキル名は高速拘束、なのか?」
「え、はい、そうですよ? さっきそう言ったじゃないですか。単なる駄洒落に見せかけてちゃんと強化されているのだからたまったもんじゃないですよね。字面だけ見て油断してたら痛い目を見ますね」
そ、そうだったのか……な、なんかショックだな。何故かは全く分からないが。
だが、これで漸く腑に落ちたな。そう言うことだったんだな。
「ってか、熟練度に応じてスピードが上がって、魔力によって強度が上がるって結構強くないか??」
「だーかーらー、さっきからそう言ってるじゃないですか、痛い目見るって! さっきから名前といい何なんですか? 夏バテですか? まだまだ夏はこれからですよ?」
「そ、そうだな」
これは夏バテのせいなのだろうか。いや、絶対に彼のせいだろう。私も夏も悪くない。
だが、夏の暑さにやられているのも事実だ。
「あ、先輩。夏バテしてるなら冷たいものでも食べに行きませんか? スッキリすると思いますよ? 私、美味しいかき氷屋さんを知ってるんですよ! とーってもフワフワで美味しいんですよ?」
それはあなたが食べに行きたいだけだろう? まあ、かき氷も悪くはないか。
——————————————————
皆さんは夏バテ対策に何をしますか??
私は……何してるんだろう?笑
♡よろしくお願いしますっ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます