第265話 事
「あ、あれれ、あれれれれ? 先輩、これなんか結構大事になってるんですけど……?」
大事だと? もはや誰のことなのか聞こうとも思わないが、大事になることなんかあったか? ……いや、大アリか。だって、大勢の獣人たちに囲まれたのに魔法でワンパンしちゃったんだろ? そりゃ誰がどうみても大事だろう。
「そりゃ、アレだけ派手なことをすれば大事にするなという方が難しいだろう」
「い、いやそうじゃないんです。いや、そうではあるんですが、少し違うんですよね」
少し違うだと? それにしても彼女にしては珍しく歯切れが悪いな。もしかしてそれほどまでに大事なのか? でも、彼が大量爆殺した以外に大事になりうることってあったか?
「詳しく説明してくれ」
「はい。まずはそうですね、ことの発端は彼に無謀にも挑んできた獣人たちの話から始まります」
ほう、しかしまあ、無謀とは言っても相手が悪かっただけで、挑んだ側もまさかものの一手で全員爆殺されるとは思ってもみなかっただろうな。
「なんと、その獣人のグループを率いていたのが、その一帯を治めているヤクザ? マフィア? ギャング? まあ兎に角ヤンキーの息子だったのです!」
な、なんだってー!? とここでは反応するのが正しいのだろうが、最後の最後のヤンキーという言葉に全てを持っていかれた。今時私ですら使っていない死語だというのに、この人はなぜその言葉を知っており、使っているのだろうか?
私ですら日常生活で聞いたのは、遠い昔の幼き日々にあったかどうか、というそれくらいのレベルなのに、彼女の幼少期に一体何があったのだろうか?
「な、なるほど。つまりはその親御さん、
「あれ? もっと驚くと思っていたんですが、まあいいでしょう。そうです、正にその通りなのですが、そこからが問題なのです。その息子さんが何を思ったのか、彼のことをエルフと勘違いして親に伝えてしまったみたいなんです」
「な、なにっ!?」
これは普通に驚きに値する情報だな。確かに彼は魔法を使って倒したから魔法が得意なエルフと間違われても仕方がないと思うが、エルフにしては少々邪悪というか、負のオーラを纏っているとは思わなかったのだろうか。
なんとも表現しにくい、得体も知れぬオーラが全身から溢れ出ているように感じるのはきっと私だけではないはずだ。
「まあともかく、獣人とエルフが対立関係にあるから、首領さんが本腰を入れて彼に報復しようって考えているのか?」
「何がまあともかくなのかはさっぱりですが、そういうことになりますね。
「しかも、その気合いの入れようが凄くて、なんと一族総出でお出迎えするようです」
一族総出でお出迎えって、国王がやって来るんじゃないから、そこまでしなくても、と思わなくもないが、こと彼に関しては、あながち間違っていない、良い対応なのだろう。
できればその二、三倍は欲しいところだが。
「それで今彼は何をしているんだいい?」
「は、はい。それなんですが……彼は今、獣の修練場に入ったところなんです」
な、なんだってーー!!??
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どうやら誤字報告争奪戦なるものが開催されているらしく、それに便乗するかのようにあえてこんな時間に投稿してみました!笑
徹夜明けでこれから仕事というのに、私は何をしているのでしょうか……笑
因みにタイトルはことって読みます。
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