第262話 後半戦


「曹長という称号は、強力な部下を五人以上従えて戦闘を教えることで手に入るようです」


 強力って、ちゃんと明確な基準があるのだろうか? もし無くて独断と偏見によって決められているのならばそれは審議だな。


「ん、効果はどんなものなんだ? あまり想像ができないのだが」


「あっ、はい。効果はですね、戦闘に参加している自軍の兵の数だけHPとMPが上昇するというものと、」


 というものと? いやいや、それだけでも十分すぎるくらい強力じゃないか? もし、彼がその効果を最大限に利用しようとして、百鬼夜行でも編成しちゃったらどうするつもりだ?


 ただでさえ不死なのにますます死ぬ未来が見えなくなってくるぞ? 


 まあ、無限魔力を持っているから実際の強化幅は半減されるのだろうが、それでもHPというのは命の総量だから、それがふえるということはそれだけ死ににくくなるということでもある。


 更にポイントなのが、戦闘に参加している、という文言があることだ。


 これによって戦闘時にしかこの効果は発動されないから、彼が死にたくなってもすぐに死ぬことができる。


 また、強化の度合いも調節できるのだからかなり強いんじゃないか?


「そしてもう一つの効果が、指揮を取ることによって軍全体に微行動補正がつくそうです」


 な、兵を集めて自分を強化するだけでなく、その兵を強化することも可能なのか……恐るべしだな、称号を強化するというのは。


 そして、その強化された称号があと二つも残っているのか。


「さて、続きましてエントリーナンバー六番、救世主ですね! これは救済者からの進化になります! とにかく沢山回復をさせろ、っていう感じのものでしたね!」


 確かに、これは最後から二番目で一昨日の出来事であったら記憶も割と鮮明に残っているな。


 彼も只管に自分を傷つけて自動回復よりも早く回復させてたな。従魔にダメージを与えないところとか、当たり前だが、だからこそ人間性の良さが窺える。


「効果も条件と同様シンプルで回復の効果をアップさせるというものです! あと、悪に対する行動補正、名前に恥じぬ効果となっております」


 おいおい、悪に対する行動補正をとってつけたようなオマケのように扱ってあげるなよ。


 まあ、気持ちは分からなくもないが、可哀想だろ。


 だが、悪というとまた判断が難しいものが出てきたな。なんなら強い、というよりも難しいのではないか?


 正義の反対が悪という人が多くいると思うが、実際はそうではない。正義の向こう側には同じように自分が正しいと信じてやまない正義がそこあるだけだ。


 だから判断が難しいと思うのだが……


 日本のように、公共の福祉、全体に影響があるか否かで決めるのだろうか? まあそれも判断に困らないかと言われれば難しい所だが、最初に比べれば幾らかはマシだろう。


 それに悪は彼がちゃんと全部倒してくれるだろうから、彼自身が悪にならないように気をつけて欲しいものだ。


「最後ですね! ラストは金穿大工です! これは炭坑夫からの進化で、条件は鉱石を沢山掘ることのようです!」


「金穿大工?」


 大工って、炭坑夫からかなりのジョブチェンジだな。それに、金穿なんてかっこいい言葉もついてるし。


「効果は穴を掘るスピードが更に上がり、また金属に攻撃する際により大きく耐久値を減らすようですね。そして、これもおまけ程度ですが、鉱石の位置が分かりやすくなる、という効果もついてくるようです」


 なるほど、攻撃にも採取にも使える万能な称号になったというわけか。金属の耐久値を減らすなんて、かなり限定的だが、その分刺さったら強いのだろうな。


 あと、オマケと言ったが、その効果を欲しい生産者がどれほどいることか。確かに彼はいらないかもだが、本職の人からしたら喉から手が出るほど欲しいと思うぞ?








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皆さんは線路を見たことがありますか?線路には石がたくさん敷かれているのですが、線路の下の石だけ茶色いのです。周りの石は普通の色なのに。


これは、線路のレールの鉄のサビが削れて石に付着しているから、らしいです。ですので、よく見るとレールはピカピカなんです。


by電車に乗っている作者


ほぇーって思った方は是非♡をよろしくお願いします!!


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