第254話 金卵狩り
「あ、先輩そろそろ国別対抗イベントが始まりますよ! このイベントは初の国同士による戦いですね。まあ、今回は実験的要素が強いですからそこまで気負うことはないでしょうが、やはり、新たなイベントを打ち出すときはドキドキしますねー」
これに関しては珍しく後輩と全く同じ意見だ。
イベントはゲームを運営するにあたってとても重要なファクターだ。調味料とも言い換えることができるだろう。ゲームという料理を更に美味しくできる可能性もあれば、台無しにしてしまう可能性もある。
まあ、しっかりと見極めれば台無しになることはほとんどないが、可能性がゼロになるわけではない。どれだけ見極めたところでプレイヤーの状況や、色々な要因が絡まり合って結果的に悪い方向に行くこともある。もちろん、それが良い方向に向かって大成功する可能性もあるのだがな。
そして、今回は初の国別対抗イベントだ。平時は基本的にサーバーを分けて運営している。このイベントの期間も別にサーバーをくっつけたり切り離したりはしないのだが、この次のイベントではいよいよそれを行うことになる。
正直なところ不安もかなり感じているが、もし成功すればとても面白いことになるんじゃないかと思っている。技術の発展によって国と国との境がほとんど地図上だけのものになり、地球はかなり狭くなった。
だからこそ、物理的には遠く離れたライバル、敵のことを思ってゲームを楽しめたら最高じゃないだろうか? 自分が子供の頃はなかったからこそ、こういったゲームを生み出していきたいのだ。
「んパイ、先輩! また、一人で考え事ですか? 今回も気持ち悪い顔になってましたよ? って、それより、もうイベントが始まりますよ! 三、二、一、金の卵イベント開始です!!」
おう、とうとう始まったか。どの国が最も卵を獲得するのか、非常に楽しみだな。だが、金の卵は意外と捕まえるのが難しい。それは普通に逃げられるからだ。しかも相手によってスピードを変えるという、将来大人になったら絶対良い奴にはならない設定だ。
さあ、彼は一体どんな対応をするのだろうか?
「あれ? 彼ログアウトしちゃいましたよ? 金の卵やらないんですかね? それとも今は眠いだけで明日になったらバチこりやってくれるんですかね?」
女性がバチこりってあんまり言わなくないか? い、いや別に男女差別をするつもりはないんだが、単純な疑問なのだ。うん。バチこりってこう、もっとおっさんの、それこそパチンコに毎日通ってそうな人が言いそうな偏見があったからな。少しびっくりしただけだ。
「って、え? 彼、参加しないのか?」
バチこりに気を取られすぎてしまった。まさか、彼が参加しないとは思っていなかったぞ。なんせ彼はこの後の予定にも色々関わってきているから参加してもらわないと少し、いやかなり不味いんだんが……
「でもどうなんでしょうね? 今日はもう麒麟を倒してますから疲れたんじゃないですか? まあ、倒したのはクモちゃんですが。それか普通に予定があっとかでしょうか? 彼も一応は人間ですからね?」
一応は人間ですからね? って、酷い言われようだな。まあ、ゲームの中では人間辞めてるのは事実だから勘違いしてしまうのも無理はないな。
「はぁーあー、じゃあもう彼の卵狩りは見れないんですね〜。少し残念ですが仕方ありません。明日少しでも興味を持ってくれることを期待して今日は帰りましょう」
そう言って、その日はお開きとなった。
❇︎
次の日ーー
「はっ!? え、ど、ど、ど、ドユコト?」
スクリーンに映し出されたのは、フィールドの各地で暴れ回り、金の卵を破壊しまくるモンスターたちだった。
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皆様、最近暑くなってきましたがいかがお過ごしでしょうか。
私は今とてもお腹が減っています(現在12:12)お昼ご飯何食べよう?
そんな訳で、どうか♡を押してください。どうか、どうか、よろしくお願いします。貴方のワンアクションで私のモチベーションが大きく変わるのです!!
目標♡数:30
キリ番の方、報告お願いします!笑
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