第249話 魔女とダンジョン
「はあーまだ誰にも見つかってないダンジョンに入ったせいで、しっかりと称号を獲得してしまいましたよー。んもー誰ですかこのダンジョンを作ったのはー」
うむ、今日もいつも通りの平常運転だな。そしてこの後に私が効果を聞いて彼女が説明してくれる。そこまでがテンプレートだ。
「それで、効果はどーー
「ボーナスSP50とダンジョンにいる時に全ステータス微上昇ですかー。んー滅茶強いわけではないですが、地味に強いですね。うーん反応に困りますね」
む、テンプレから外れてしまったぞ? いや、これこそがテンプレだったのか?
「このダンジョンのコンセプトはなんなんでしょうか? 薄気味悪いですし、コソッと作っただけに趣味も悪いんですかね?」
おうおう、酷い言いようだな、まあ、確かにお化け屋敷とかが嫌いな人からすればこのダンジョンは気味が悪くて早く帰りたいと思ってしまうだろう。
そして、そこに現れる敵もその気味悪さを増幅させていた。悪魔、幽霊、ゾンビ、嫌われている代表格なのではないだろうか?
しかも更にタチの悪いことに、現実ではこれらの生物が存在しないということが無意識的にも分かっているから安心できるが、このゲームの世界ではちゃんと実在してしまうのだ。リアルな存在として認識できてしまう。だから、もし後輩のような人とゲームで遊ぶときは気をつけておいたほうがいいのかもしれないな。
「え、先輩何考えてるんですか? 変な顔してますよ?」
おっと、いけない。顔に出てしまっていたようだ。変顔をして誤魔化しておこう。
「やっぱり余裕過ぎますねー。彼だけでも余裕なのに、従魔たちも出しちゃってますからねー。負ける理由が見当たらないですよ、これは」
まあ、確かにそうだよな。いかに、未発見のダンジョンだなんだといっても、難易度がアホみたいに高くなるわけではないからな。彼を満足させられるようなダンジョンはもっと先に行かなければ見当たらないのだろうな。
「お、遂にボス戦まできましたよ! って、何ですかこれは、普通に黒いんですけど?? え、これレーティング的に大丈夫なんですか?」
モニターには四肢が欠落し、目の奥も完全に死んでいる男がいた。
「だ、大丈夫なんじゃないのか?」
仮に大丈夫じゃなかったところで、私たちにはどうすることも出来ないんだが……
「う、うわー。こういうの少し苦手なんですよね。もし、自分がそうなったらどうしよう、っていう感情に襲われて頭がグチャグチャになっちゃうんですよね」
そ、そうなのか、意外だな。こういうのは全然平気なものとばかり思っていたぞ?
「別に、嫌悪感とかはないんですけど、単に自分に置き換えて考えてしまって気持ち悪くなるんですよ。でも、まあ私も大人になったから対処法を知ってるんですけどね!」
「対処法?」
「はい! それは美味しいスイーツを食べるってことです! そうすればすっかり忘れて美味しい幸せな気分になれるんです! というわけで買ってきます! あ、先輩も何か欲しいですか? 買ってきましょうか?」
お、おう。し、幸せな人生だな。
「な、なら私の分もお願いしておこうかな」
「わっかりましたー! いってきます!」
そして、数分後。私はお金を請求された。しかも彼女の分まで。これが狙いだったのか、魔女め!
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なんか自分でもよくわからなくなりましたw
はぁー甘いもの食べたいなー。皆さんが好きな甘味はなんですか?
私は結構オールラウンダーなのですが、無難にチョコは好きですね!(聞いてない
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