第161話 彼の異常な対応
ビーーーーーーーーッ!
「え?」
毒ガスがまるで効いてない彼は、問答無用でその毒ガスを吐いている機体を一刀両断にしてしまった。
これで一件落着、そんな雰囲気が漂い始めた中、けたたましいブザー音のような警報音が鳴り響いた。流石にこれには彼も面食らったようで、驚いている。
しかもこれは、なんと増援を呼ぶ音であったらしく、ワラワラとどこからともなく増援がやってきた。
やはり、捕獲が第一優先事項、ということなのだろう。非常に恐ろしい限りだ。
だが、その場にいる彼からすると、ただごとではなかったようだ。これには彼も本腰を入れて対応を始め、爆炎魔法を使って、爆破させたり、拳での応戦を試みている。
しかし、確実に消滅させない限りは同じように増援を呼ばれ続けてしまうため、彼も悪戦苦闘しているように思える。
剣を使って相手をバラバラにしたり、魔闘練気を纏っての打撃など、増援を呼ばれない方法をいくつか見つけているようだが、それにしてもすでに呼ばれた数が多い、これは彼の集中力との戦いになりそうだ。
だが、そこにまた新たな展開が生まれた。
そう、犯罪者対応プログラムCが発動したのだ。逮捕、機能奪取と続き最後は完全排除、らしい。
今までにない新しい攻撃パターンというだけで厄介なのにも関わらず、完全排除という、殺意の高い攻撃となると、これは彼もいよいよまずいのではないだろうか。
もういっそ、この攻撃を食らって、死に戻った方が彼のステータスも上がるしお得なのではないか?
その攻撃は、まさにレーザー光線、光の速さでの攻撃だ。
彼も間一髪、といった様子で避けていた。これはいよいよチェックメイトか、そう思った時だった。
彼があることに気がついたのだった。それは、かなりの脅威であるレーザー光線が他の機体をボロボロにしていた、ということだ。
つまり、彼の脅威になるということは、それだけリスクが伴うということだった。
そして、彼の口角がニヤリと悪い笑みを浮かべたのだった。
❇︎
そこからの彼は異常だった、すぐさまレーザーの回避方法を会得し、さらにはどうやったら効率良く同士ちができるのかも考えて行動していた。
最終的には、戦っている相手を、掴んでそのまま別個体の前まで行って、回避することで同時に二体も
倒すという荒技中の荒技を披露してくれた。
うん、何をしているんだろうか、彼は。本当にとんでもない。つくづく桁違い、規格外ということを思い知らされるな、全く。
驚愕、感動、恐怖、一体どんな感情がその時私の中に渦巻いていたのかはわからないが、その答えが見つからないまま、事態は急変した。
ズゴゴゴゴゴゴ
山が彼の元にやってきたのだった。
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