第116話 時間の問題


「あ、先輩。この階層はどうやら彼の従魔の正統な進化形がいるようです!」


「ん、彼の従魔というとあのスケルトンたちか? スケルトンの正統進化といえばスケルトンウォーリアーだったかな? あれ、スケルトンナイトだったっけ?」


「スケルトンの正統進化はスケルトンウォーリアーですよ! って、そうじゃなくて、彼の従魔のハゲタカの方ですー!」


「あ、そっちか」


 って、まあ知っててとぼけたんだがな。


「ハゲタカの正式名称ってなんだったっけ? そして進化したら何なるんだったけな?」


「確か、ハゲタカの正式名称はスワンプコンドルですね。そして、進化すると、グレイテストスワンプコンドルになります!」


「グレイテスト、って単純だな。一体誰が付けたんだ、そんな名前?」


「先輩じゃないですかー! 基本的にモンスターの名前は早いもの順で決まりますが、このコンドルは先輩が二秒くらいで決めていましたよ?」


 わ、私だったのか……そういえばそんな名前をつけたような記憶も無いことも、無いかな?


「そ、そうだったな。それよりも彼のハゲタカは今、なんに進化しているんだっけ? 正統な進化ではなかったと思うんだけど」


「あ、はい今調べますね。えーっと、彼の従魔は……ターバリーダークウルフォークですね」


「は、はい? なんだって!?」


「はい、ターバリーダークウルフォークですね」


 ターバリーダークウルフォーク、のどこにハゲタカ要素があるんだ? 強いて言えば最後のホークくらいだが、それも鷹だろ? しかも、闇属性に加えて何故か狼が入っているし、これでキメラじゃ無いのが、不思議なくらいだ。


「これは、もちろん彼の強制進化のせいなんだよな?」


「は、もちろんそうですね。あ、彼、従魔のスケルトン達も進化させて今ではツリージェネラルになってますね」


「ツリージェネラル!?」


 こちらは完全に骨はどこかへ行ってしまったじゃないか。属性を与えられているのはいいが、原型を留めていないなんて、かなり狂気じみた進化を行なっているようだ。


「そ、そういえばもう一体、従魔がいなかったかい? その子ももう……」


「えーっとその子はですね……スケルトンソードマンデケムですね」


「あっ……」


 こっちはまだスケルトンは残っているんですね、でも、もう時間の問題な気がする……


 一体、いつどんな姿になるのか、興味深く見守って行くことにしよう。

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