第109話 クエスト消化


「あっ、先輩! 彼、ようやく動き始めましたよ!」


「ほ、本当か!?」


 彼が神殿に到着してから約三時間とちょっと、遂に彼は仙人にいたる情報を手に入れることができたようだ。


 彼が神殿について、三時間が経過し、称号、動かざる者を彼が入手したときはもうダメかとも思ったが、逆にそれを獲得したことによって我に帰ったようだ。


 もし、SSZSが称号をくれなかったらと考えると、彼は最大で何時間そこにいたのか、気になるな。


「ふぅ、やっと彼が動き始めるのか、しかし、このまま動かなかった方が良かった、となりそうな予感がするのだが大丈夫か?」


「え、つまり彼が仙人になってしまうことで何か起きるのではないか、と言いたいのですか?」


「うむ、まあここから仙人になるのも大変だろうから、すぐにどうこうという話でもないだろうが、それでも不安は募る。今まで彼が何かしなかったことがあっただろうか」


「……いや、ないですね。何もしないことの方が珍しいですもんね」


 まあ、あそこはゲームの世界であるから、ログインしている以上何もしないというのはあり得ないことではあるが、彼の場合、その内容が問題なのだ。


 本当、私たちの苦悩のタネであり、私の胃痛の原因でもあるのだ。まあ、最近はそれが多発し過ぎて慣れてきている自分がいるのだがな。


 まるで彼みたいだな。苦痛を受け、耐性を得るなんて。


 まあ、彼と違って、私はそれを自発的に行っているのではなく、彼の所為であるのだが。


「あ、彼がとうとう仙人と遭遇しました! あっ……せ、先輩」


 遂に、この時がきてしまったのか、彼のことならすぐに仙人に至ることだろう。って、


「ん? どうしたんだい?」


「彼が、彼が想定よりもこのクエストの開始が遅く、また、神殿に長く滞在しすぎたことによって仙人が通常よりも長く待つことになってしまい、その……」


 彼女にしては珍しく歯切れが悪いな。それほどのことが起きてしまったのか?


「ん? どうしたんだい?」


「せ、仙人が彼に対して水を要求するほど、疲弊し、ギリギリの事態になってしまっているのです!」


 あ、あー。なるほど、そういうことか。


 今回、彼は神殿で神託、まあ正確には少し異なるのだが、を受けたのだが、彼に師匠となる仙人にも同様に神託が降りることになっている。それは彼がこのエクストラクエストを受けた時点で決まっており、その段階からその仙人は修行という名の神託待ち状態に入るのだが……


「確かに、彼が神殿に向かうのは少し、いやかなり遅かったような……」


 普通、エクストラクエストなんてものが出たらすぐに受けるだろうに……


 まあ、彼の場合は悪魔関連でも発現しているし、そもそもクエスト自体あまり受ける傾向にないからな、仕方のないことだったのだろう。


 クエストを溜めているとこういう障害が生まれるのだな、これから自分がゲームをする時はすぐに消化するようにしなくてはな。







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皆さんはクエストとか溜めちゃう派ですか?自分は結構溜めるのが嫌いなのですぐに消化しちゃうタイプです笑

あ、因みに通知とかも速攻で消したくなるタイプです(聞いてない

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