第74話 休日の過ごし方


 ふぅ、今日は久しぶりの休みだな。別に今日もいつもと変わらずゲームは稼働しているが、別に四六時中見ておかなければならないというわけでもないのだ。


 ゲームの運営をしている者ならわかるかもしれないが、問題があった時はそれが解決するまではずっと対処に追われるが、問題がなければ至って平和なのだ。


 そして今日は平和というわけだ。たまたま彼がログインしておらず、後輩の機嫌も良かったため、早めに切り上げたのだ。まあ、私がいない間に何か起きているかもしれないが、本当に大変なことが起きたら連絡が入るだろう。


 というわけで久しぶりにゆっくりできるのだが、何をしようか。こういう休みの時間に何ができるかが人生を大きく左右するのだ、だからこそ何か初挑戦をしたい。


 これから定期的に休みがあるわけではないから、何かスポーツを始めるというわけにはいかないから、何か単発でできることをやりたいな。


「んーー、あ」



 そうだ、料理をしよう。いつも外食やデリバリーで軽く済ませてしまうからな。人生を彩る趣味として料理をしてみよう。料理ならば一日でできるし、これからも続けられそう。なにより、面白そうだからな。


 だが、そうと決まると何を作ろうか。あまり簡単すぎても達成感がないだろうし、難しすぎて挫折するのも嫌である。程よい難易度で初回にぴったりな料理はないだろうか。


 いや、普段料理しない奴が考えても無駄か。分かるわけがない。もうどうせなら自分が好きなものを作って自分で満足しよう。趣味なんて自己満、いや、人生なんて自己満なんだ。


 どう生きるかなんて自分次第で、死ぬのも自由だ。全て自分で選択して今の自分がいる。そしてそれはただの自己満でしかない。ゲームを運営するのも極論必要ないことである。生物学的に言えば私は繁殖するのに一役買えばもうあとは、お役御免なんだからな。


 だからこそ自分の好きなように生きていくんだ。そして、その中で人類の歴史に名を刻めることができればなんと嬉しいことか! まあ、それも自己満なんだがな。


 よし、というわけでハンバーグを作っていきましょう。私はハンバーグが大好きなんだ。毎食ハンバーグ食べて良い、とまでは思わないが、週一くらいでは食べたいとは思ってしまう。


 レシピは……よし、こんな感じだな。調べたら一気にたくさんのレシピが出てきて迷ったが、私の経営者としてのモットーは即決即断だ。というわけで写真で一番美味しそうなやつにした。それがこれだな。


・牛ひき肉

・豚ひき肉

・玉ねぎ

・卵

・パン粉

・砂糖、塩、胡椒

・デミグラスソース


 デミグラスソースも手作りで作るレシピがあったが、とりあえずは市販のものを買おうと思う。正直ソースがうまければどんだけ失敗してもなんとかなりそうだからな。私は自分の料理スキルを信用してはいない。


 牛肉と豚肉の比率が半々って書いてあったのだが、個人的には牛の方が好きだから、牛肉の方を多めに買っておく。そして、玉ねぎも普通のものよりも新玉ねぎ派であるから、そちらを購入。卵はもちろんLサイズで、調味料は家にあるはずだ。


 デミグラスソースはその店で一番高いものを買っておいた。まあ、言っても二種類しかなかったんだがな。


 よし、これで準備はバッチリだろう。あとは実際に調理に入るだけだな。


 うん、久しぶりに胸が高鳴り興奮しているのが分かる。やはりいつの歳になっても挑戦するというのは心躍るものだな。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る