彼氏タイトルマッチ
「彼氏タイトルマッチ組んで欲しいな」
「なんだそりゃ」
「俺を巡って女子二人が争うやつ」
「逆じゃね? 彼女を巡って男二人が争うなら分かっけど」
「だから憧れるんだよ。『俺のために争うわないでくれ! ファイ!』って」
高崎は両手を拡げて間に入って止めようする人のポーズする。
「言ってることと思ってること違えじゃねえか。そもそもお前が好きっていう物好きな人が最低でも二人は必要っていうプロモーター泣かせな案件だぞ」
「簡単だよ。モテれば」
「それがムズイんだよ。仮に、まずないという絶対条件の上で仮定した場合だけど、お前を好きな人が二人いたとする。けどキャットファイトまでいくとは思えんわ」
「いや俺は俺を巡ってダイエットしてまで俺というベルトを勝ち取りにいくという女子がいると思う」
「ダイエットっつうか減量な。お前のために水を飲まないって人はもっといねえだろ」
「いやいや。計量に間に合わせてくれるかもよ」
「・・・おい二階堂。何とか言ってくれ。さすがのお前でも二階堂タイトルマッチを女子たちが繰り広げるなんてことねえよな」
小野坂は二階堂に助けを求めたが、二階堂が涼しげに応えたのが意外にも期待してものではなかった。
「いやあるよ」
「マジ?」
小野坂は素直に驚いた。
「でも僕は僕を巡って争ってほしくなかったからレフェリーよろしく止めに入ったんだ。そしたらその子たちのクロスカウンターが両側から見事に僕に突き刺さってんね。ノックダウン取られてんだ。しかも『どっちがノックダウンさせた』のどうのこうでまたゴングが鳴ってね。結局勝負がつかなくて判定までもつれて、ダウンしてフラフラになった僕がドロー判定出したらお互いに気にくわなかったみたいで両側からボディーブロー入れられたよ。生まれて初めてラマーズ法生んだね」
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