メガネ・コンタクト戦争2


「委員長はザビエルって知ってるか?」


 鯖江が真剣な表情で小野坂に話かける。


「ザビエル? ザビエルってあのザビエル?」


「そう。あのザビエル」


「サンフランシスコ=ザビエルだよな。キリスト教を布教に来た人」


「太陽はいらないんだ。トンスラヘアスタイルしてて太陽っぽいのは確かだけど。で、ここ大事なことだがザビエルはキリスト教ではなくメガネを布教しに来たのを知ってるか?」


「え、メガネ? 宗教じゃねえのか?」


「メガネを日本に最初に持ち込んだのはザビエルなんだ。彼はキリスト教を布教するのは建前で、本音はメガネの布教だったんだ」


「それ、マジなのか?」


「ああ。委員長にはメガネを掛ける者としてこのことだけは知ってもらいたかった」


「委員長。そのメガネザルの話にあまり付き合わないほうがいいぞ」


 鯖江たちの話に後ろから割り込んできた水谷に鯖江は恨むように睨む。


「水谷ぃ。お前また俺の邪魔をするのか?」


「邪魔もなにもただ俺は委員長に教えてあげただけだ」


「それが邪魔なんだ。俺の視界から消えろ」


「ふふん。視力が良い奴は目ざとくて困ったもんだ」


「視力悪いマウントか?」


「まあな。ウチの視力が悪うござんしたねえ」


「このお!」


 睨み合う両者。


「お前らやめろって全く・・・」


 それを呆れつつ止めに入る小野坂。


「次委員長にコンタクト取るようなら俺の目が黙っちゃいねえ!」


「視力の育ちの良いその目でか?」


「こんのお!」


「やめろって・・・」

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