二日目③ テスト…?
結局自分が来たところで、誰かが話しかけてくれることもなく、
いつしか、安立と御園生も会話がなくなった中、
この部屋がシーンと静まり返った
自分が来てから約5分、ようやくエアリーが来た
「あっ、遅くなってすいませ~ん~」
身振り手振りをぶらぶらとしながら話す
こんなところにも性格って出るんだな
そんなどうでもいいことを考えているとき、御園生が手を挙げた
「はい!、質問です!」
一目で分かる、何故かすごく楽しそうだ
昨日の鈍感イケメン系はどこへ行ったのだろうか?
「あ~、はいなんでしょ~?」
「今日もテストなんですか!?」
ちょっと待て?テスト?
どういうことなんだ?
言葉から推測するに、昨日やったばっかりってことなのか?
「まあ、なんだかんだ言っても結構面白かったしー
あれなら結構勝てるんじゃないー?」
と安立も続けた
かなりやる気満々っぽい
昨日結構反対してたのに?
『結構』使いすぎだろ…
本当に『テスト』とか『あれ』とか言われても…、
自分、昨日知らなかったんですが?
来てすぐにぶっ倒れたらしいんですが?
本当に昨日何があったんだ
心の中でツッコミを入れながらも、どうしてか
ふと気になって、
自分は布市の方を見た
布市はそのままだった
言葉の通り
自分が来た時と全く同じ姿勢で、下を向いて座っている
ここだけ時間という概念がないみたいで、
本当に空気みたいだ
昨日は布市も『帰りたい』とか言ってたな
安立と違って、今でも帰りたいのだろうか?
自分には分からない
と、
突然、エアリーは何かを思い出したかのように
「そういえば、ヤツセガシさん」
と言ってきた
ヤツセガシ…って誰だよ?
まさか自分なのか?
あだ名で呼ばれるようになった仲…なわけないよな
ただ名前を間違えられているだけだ…多分…
まあいいか
「えっと…何でしょうか」
「たしか昨日いなかったんですよね~」
「えっと…いなかったというか知らないんですが…
何をしたんですか?」
「細かいことはど~でもいいんです~とにかく、テストを今からするんで~ついて来て下さ~い~」
などとエアリーは呼びかける
だから、テストってなんだよ!中学校にすら、ろくに行ってない
ひきこもりには『学力』という文字はないぞ!
肝心な説明なしかよ…
「まあ、テストって言っても、何も怖くないと思うから
大丈夫だって、ヤツセガシ君!」
誰かと思ったら御園生だった
名前間違えられてる…
一回、自己紹介で軽く話しただけだったが、
明るくて性格もいいので多分、『多くの人に慕われる人』
というオーラが見えてきそうなくらいだ
あくまでも二回話しかけられただけなのでほぼ偏見だが…
それでも、
自分にとっては、少しとっつきにくい感じだが…
「えっと…うん、分かった……ありがとう……」
まあ、ついて来いと言われたら、ついていきたくなるし
聞いただけだが、すごく楽しいらしい…
ほんと、誘拐だな…
それでもホイホイついていくが…
自分はとりあえず、席を立って、
エアリーについていく意思を示した
と思ったら、安立と御園生も席を立った
どうしたんだ?
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