一日目③
こんな感じで部屋を出た
結局、彼女は他に何も言わずに別の場所へ行ったようだ
彼女に付いて行ってる途中、考えていた
やっぱり、夢なのではないかと
だって、どう考えてもおかしい
引きこもり陰キャ(かつボッチ)の自分だからこそ考えそうな
異世界召喚という設定で、目の前に女性がいて、かつ美人って
本当によくありそうな妄想だ
でもあのやる気のなさは何だ?
さっぱり意味が分からん
ふと思ったんだがさっきまでの期待、好奇心とは違い、少し冷静になって考えたら
やばいな(語彙力)
さっきまで夜だったから深夜テンションでも入ってたかもしれない
冷静になれたのは良かったのか?
ただ、目の前にいるこの人のやる気のなさで高揚感も失われた
いろいろと考えていると、突然、彼女が立ち止まった
上を向いて気付いた
大きな扉があった
自分の場所にあった扉よりも大きかった…ような気がする
気のせいか
そして彼女は、何やら神妙な面持ちで扉を見つめている
まず一回大きな深呼吸をして…体を伸ばして…
何やってるんだ?
ただ、知らない人と話したくないし何も話しかけない
話しかけるのって怖いやん
さっき改めて思った
そんなことを考えてるうちに彼女の動きが止まった
彼女が勢いよく扉を開けると、まず目に飛び込んできたのは
ベットだった
そして、ベットの上に人がいるのを把握
女の子だった
それも金髪で、少し伸ばした程度
年齢は自分と同じくらいで高校生と見た方が妥当だ
よく見ると自分と同じように、パジャマを着ていて
青とピンクの水玉を着ている
女子二人いるので区別がつきにくいので
ここからはパジャマを着ている方を”少女A”
最初に出会った人を”女性”としよう
名前聞くの怖いし
惨めな思いをしたくない
”少女A”は、こちらを見て、首を傾げた
やはり状況を把握していないようだ
そして、また”女性”はこう言った
「どうか、私の父を倒してください
異世界の方!
…はぁ~…ということで二人とも私についてきてくださぁ~い」
相変わらずやる気がなさそうだ
そう言うと、また扉を開けたままどこかへ去ろうと…
「あの、ちょっと待てください」
”少女A”が、”女性”に話しかけてきた
「なんでしょ~か?」
”少女A”はこう言った
「まず、ここはどこなんでしょうか?
さっきまで寝ていたので夢だと思いますが
にしてもリアリティーがありすぎます
それに、さっきおっしゃられた異世界とは何なんですか
それとあなたは誰なんですか?
ついでに後ろの影薄そうな人にも聞きます…っていう感じ~?」
と早口に”女性”に質問を投げかけた
そんな中、”女性”の方も腕を組みながら少し考えていた
というより”ついで”とか”影の薄そうな”とかダイレクトに言わないでほしい
あと最後の『…ていうかんじ~?』が一番気になった
そんなことを考えていると”女性”が返答をした
「私の名前は後で言いま~す。異世界も後2人集まった時に言いま~す。
面倒ですので~」
と”女性”は質問に答えたが実質ゼロ回答だった
自分はというと、いったん質問されたので一応答えておく
さっきはひどかったが、今回は大丈夫だろう…
「じっ、自分は八瀬樫尾といいます…
たっ、多分自分も呼ばれた?…らしく、あんまり知らない…です…」
もう一回行っておく
女子と話したのが久しぶりすぎた
ムリなんだよっ!
かつ初対面
どんな拷問だよ(本日二度目)
と思ってると向こうも返答してきた
「そのキョドりかたムリだわー
まあ一応私の名前言うわ
私、
さっきまでのは何だったんだ
最初の質問の時、『こいつマジメな奴かな?』
とか思ったのにひょっとして
ひょっとしなくてもギャルなのか!?
引きこもりにとっては天敵でしかない
それに、正しいし的確だから
本当にぐうの音も出ない
もう嫌だ
帰りたい…
心の中で叫んだ
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