一日目②    *大幅変更しました

目を開けた後、

 知らないところ

見たこともないところ

どこか分からない


木で覆われたログハウスを彷彿させるような、きれいな部屋だ


周りには、唯一扉があり他には何もない

自分はというと見慣れたパジャマ姿で

さっきまで寝ようとしていたことを思い出した

ベットから降りると…?


ベットの上にいたのか

今気づいた

さっきまで寝ていたのだった


さらに驚くことに、ベットの上には自分の部屋と全く同じように

毛布、布団、目覚まし時計、寝るまで読んでいた途中までのラノベなど

まんま自分の布団の上だった


 (こういうのって…まさか…)

引きこもり、かつ陰キャにはこのような非常事態は決まってお約束なのである

そう思った時だった


 いきなり扉が開いて人が入ってきた


その人は透き通った赤く、限界まで伸ばしたかのような長い髪


明らかに日本人とは言えない


そして顔から見るに女性、かつ自分よりも年上であると思う


息を切らしていることから驚いているのだろう


その人はこう言った

「どうか、私の父を倒してください!異世界の方!」

よく小説で、ゲームで、アニメで

使い古されたようなテンプレをこの人は言った


「というわけで次行くので、ついてきてくださ~い」

???この人が言ったのか??


なんだ、このやる気のない声?


というより名前聞いてないぞ

こっちもまだ言ってないけど……


コミュ障に自信のある自分にとって、ここは名乗ることができない


そもそも、『じょしとふたりっきり』な状況はここ数年体験したこともないし


心臓がバクバク言ってる


しかし、さすがに情報が少なすぎる


なんとか些細な情報が無いか、勇気を振り絞って口を開いた


「あっ…あの……ここって…」

あまりにも感じる、自分でも情けない声だと


それでも、こういう時は


ヒロイン(?)のような人には何か

ときめくようなことがあるのかも知れない

経験ないし分かんないけど


この人もその意思をくみ取ったのか……


「だ~か~ら~後で言うので待っててくださいって!

我慢してくださ~い」


汲み取ってくれなかった・・・


後で言う?初めて聞いたわ!!


というより逆切れかよ!


言い終わった後、彼女は何も言うことなく、さっさと立ち去ってしまった


勇者ってこんな扱いされるのか…


それでも、『自分コミュ障だから』と割り切った


思わずため息が出た


仕方なくこの人についていった


これが異世界の最初の話








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