第7話 疑心

「よし、集まったな。じゃ、今日もダラダラするぞー!」

「それでいいのか…」

今日も特にこれといったやることは無いらしく、目的もなく部室に集まっていた。

「ところで、そちらは…佐々木さん、だよね?君も入部希望って聞いたけど。」

「うん。」

「歓迎するよ。ようこそ!」

急にきた唯を邪険に扱うようなことも無く、涼太は歓迎するといった。嘘偽りは無さそうだ。ほんと、こういう所は尊敬に値する。

「1年の林道です。よろしくお願いします。」

「佐々木。よろしく」

唯は素っ気ない態度だった。こういう所が多いので、いらん敵をたくさん作りそうでハラハラする。






帰り道。

「ねえ。」

「ん?」

「あの女、絶対司に惚れてるから。気をつけてよ。」

突拍子もなく、何を言うかと思えば。

「そんな感じだったか?別にこちらに興味無さそうだったぞ?」

「私にはわかるの。」

昨日初めて話したのに、そんなことあるわけないと思うが…まあ、唯が嫌なら、必要以上に仲良くしないようにしとこう。

「じゃあな。」

「うん。」


◇◆◇◆◇◆◇

今日は白崎先輩が女の人を連れてきた。彼女さんらしい。

「彼女、いたんだ…。」

正直、一目惚れだった。かっこいいあの見た目にあの優しい性格は反則だと思う。




「………奪っちゃおうかな。」



◇◆◇◆◇◆◇


次の日、いつも通り学校にくると、携帯にメッセージがきていた。

『昼休み、部室に来てください 』

林道さんから…?なんか用があるのだろうか?

「用があるから、来いと言ってるんだろうけど…。」

とりあえず、唯には悟られないようにするか…





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る