第4話 謝罪

家に帰っても、何もする気が起きなかった。ただ、ぼーっとすごしていた。今日の出来事は、何か悪い夢だったのではないかとさえ思ってしまう。口数が少なかったけど、あんな狂った行動をするような子では無いはずだった。あんな、まさに強姦と言っても差し支えないような行動を…。どうして、あんなことになったんだろう。ファミレスで佳奈に会ったあたりから変な感じだった。もしかして、いや、もしかしなくても嫉妬故の行動だったのだろうか。学校に行くのが怖かった。また、唯になにかされると考えると、体が動かなかった。でも、容赦なく時間は過ぎて、朝が来てしまった。休む訳にはいかないので、重い気持ちのなか準備して、家を出ると。

「おはよう」

うしろから声が聞こえた。聞きなれたあの声。怖くて振り向けなかった。どうして、ここにいるんだろう。

「迎えに来たよ。彼女だからね。」

間違いなく唯だった。ようやく、唯の方を向いた。不気味な、微笑んではいるが目は笑っていない表情をしていた。

「学校、遅刻しちゃうよ。」

そういって、僕の腕を引っ張り唯は学校に向かった。




授業も、集中できるはずもなく、ノートは白紙だった。涼太にどうかしたのかと聞かれるが、こんなこと言えるはずもなく、なんでもないと言ってしまった。不審がっていたが、特に追求はされなかった。



「今日、家に来てよ。」

唯にそう言われて、あの出来事がフラッシュバックした。

「こないと、また殴るよ。」

従うしか無かった。

唯に案内され、唯の家に向かった。

先に中に入るよう言われて、家の中に入った。

「おじゃましまー…んむ!」

唇に、柔らかいものがふれる。長い接吻だった。満足気な表情で唯は口を離し、

「実はね、話したいことがあるんだ。」

唯はそう言いながら、自分の部屋に僕を招いた。なんの話だろうか。

「昨日はあんなことしてしまって、ごめんね。私、司がほかの女と話しているのを見るとすごく胸が締め付けられて、苦しくなるんだ。

でも、大人しく従ってもらうためについ、手を挙げてしまった。…嫌いになった?」

やはり、唯は嫉妬深いらしい。でも、唯が何を考えているのか教えてくれたおかげで、少し心が整理できた。それと同時に、恐怖は薄れて言った。

「いや、大丈夫だよ。でも、あまり暴力はよくないかな…」

そういう訳で、唯は反省しているので、許すことにした。ただ、初体験だったのでもう少しムードが欲しかった。







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