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「ちなみにみんなは何で魔法について学ぶんですか?」


「まあ、王都の魔法士部隊に加入したいというものもおれば、家業の薬草や花など魔法薬品を扱うためというやつもいる。基本的に魔法が使えるというだけで良い仕事をさせてもらえるケースが高いから、親孝行とかってやつもいるな。お前は何でここに入学したんだ?」


何で…?

そんなの俺が聞きたい。


俺は魔法を使って戦ったり、家業を手伝ったり、親孝行する気なんて全くない。

強いてゆうならば、俺は元の世界に一刻も早く帰りたい。


とりあえずそれっぽいことをなんかゆっとくか。


「あーっと、魔法使って人助でもできたらな〜なんて」


ハハッときの抜けたような笑いを見せながら何とか答える。


その答えに満足したのか、そうか、とだけいうと「それよりいま授業中だろ、早く教室に戻れ」と引き留めた奴が何ゆってんだというセリフをはき、スタスタと反対方向へ去っていった。


教室と言われても…どこだよ!


まあ、このまま真っ直ぐ進んで見るか。


とりあえずなんとなく今がどこで自分がどういう状況にあるのかということはわかった。

ただ、どうしたら元の世界に戻れるのか全くわからない。


それよりも、ただの夢にしては出来すぎてはいないか。

もし、本当に異世界に来てしまったんだとしたら帰る方法はあるのか。

なぜ俺がこの世界に来てしまったのか、そこがわかればなんとかなる気がするんだが…。


考えても答えの出ない。とりあえずは教室を探してそこから色々探って行くしかないな。




ーーーーーーー


長い廊下をまっすぐ歩き続けていると、ようやく教室らしい場所にたどり着いた。


6部屋ぐらいありそうだけど一体俺はどこの教室なんだろう。

とりあえず1個ずつ入って見るか。


ガラッと勢いよくドアを開けると一斉に視線が集まる。


「ん?君はデュラード君じゃないか。君の教室は2つ隣だよ?」


「あ、ははっ、そ、そうでした〜。失礼しました」


俺は2つ隣の教室らしい。

というか、教師はみんな生徒のことを覚えているのか?


まあ、なんでもいいか。


言われた通り2つ隣の2ーCと書かれた教室に入る。


「あ!クロエ!お前また遅刻か?」


入った瞬間、窓側に座る茶髪の男がそう言った。


この世界での俺は遅刻をよくするのか。覚えておこう。

現実世界では真面目だけど、この世界ではそうでもないらしいな。


「あ、あぁ。腹痛くて」


「お腹が痛いのはいいけど連絡だけは忘れずしてくださいね、デュラード君」


眼鏡をかけた根暗そうな先生が少し笑いながらそう言ってくる。


…怒らないんだな。

現実世界なら罰として大量の課題を出されるところだ。

こういうところは夢だからか楽なのかもしれない。


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