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建物の中は長い廊下が続いていた。
学校・・?みたいに見えるけど俺がいたところとはちょっと違うな。
何というか、ヨーロッパの雰囲気に似ている気がする。
「君、そこで何している」
長い廊下を進んでいる途中、後ろから声がかかり振り返ると長身な顔の整った男がこっちに向かってきた。
うわ…、本当にヨーロッパの騎士みたいな人。
金髪の髪はツヤっとしていて風になびいて柔らかい髪質だとわかる。目は少しつり上がった奥二重でキリッとしている。そしてこいつの特徴といっても過言ではないであろう、青い透き通る様な目。鼻筋は綺麗に通っていて、機嫌が悪いのか少し眉間によっているシワすらもこの人の美貌の一部ではないかと思うほどである。
「あ、えっと…」
なんて言えばいいんだ?
起きたらここにいましたって言ったら確実に頭おかしいやつって思われるに決まっている。
ただ、事実はそうであるため何も言い訳が思いつかない。
というかここはどこなんだ…?
「お前、クロエ=デュラードではないか。今は魔法史学の授業中ではないのか?」
「魔法史学…?」
魔法が使える設定になってるってことか?
それとも、違う意味なのか…
いや、そんなことよりも今こいつ俺のことをクロエ=デュラードとか言ったか?
ここでの俺の名前ということ?
そんなことを悶々と考えていると、ふと気配を感じ下げていた顔を上げると先ほどまで人1人分ほど空いていた距離が残り数センチと近くまで来ており目が開く。
「お前、そんな顔だったか…?」
「えっと…?」
顎を取られ、無理やり上を向かされる。
この人、190センチくらい身長があるから上向かされると首が痛い。
いや、というか何をそんなまじまじと人の顔見てんだよ。
「あの…離してもらっても良いですか?」
眉間に寄ってるシワが何とも怖さと逆らえない雰囲気を醸し出している。
ただ、男とこんな至近距離で会話することなんかないから少したじろぐ。
というか、俺の身長は170ちょっとくらいしかないから20センチほどの身長差に少しムッとしてしまう。
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