GW2
「友樹さん、それじゃバドミントンしに行きましょうよ」
ゆあは笑顔でそう告げる。
俺が窓の外を見やると、確かに絶好のバドミントン日和だった。
「だが、外出禁止とかじゃないか?」
テレビで確か散々、外出するなとか三密だとか騒いでいたはずだ。
それで後ろ指を指されてしまっては本末転倒だろう。
「ソーシャルディスタンスをとれば、大丈夫じゃない? 私もお家ばっかりで気が滅入るし、友樹と久しぶりにバドしたいなぁ〜」
と言うのはエプロン姿の夕陽だ。
ちょうど洗い物が終わってカウンターからこちらに歩いてきた頃だ。
近頃は飲食店の経営は自粛せざるを得ないので、夕顔亭でご飯を食べるのはいつものメンバーしか本当にいない。
「じゃ行ってみるか。せっかくだから目標とか決めようぜ?」
「目標?」
「もし二十回パスが続いたら、ご褒美とか」
「いいね。それ。どうせ友樹のことだからえっちなお願いとかしそうだけど」
「そりゃお願い聞いてくれるなら」
「もぅ〜しょうがないな、それじゃゆあちゃんと二人で奉仕する?」
「ゆ、夕陽さん……ゆあ、恥ずかしいですけど精一杯頑張ります……」
「う、うぉぉおおお! 俄然やる気が湧いてきたぞ!!」
ご褒美をチラつかせられると俺もやる気が無限に湧いてくる。
「ふふ。その代わりに友樹が失敗し続けたときは私たちが何かお願いしよっかな」
「お願いって、、どんな?」
「そりゃあもう、ねぇ」
そう言って夕陽とゆあは顔を見合わせる。
「いつも私たちはいたずらされてばっかりだし、私たちも友樹にいっぱいいたずらしちゃうんだから」
そうして、互いの欲望をかけた戦いの火蓋が落とされたのであった。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます