第14話「『妹』としての立場」
唯波に連れられて、唯波の家に来た。
断ったはずなのだが、「風邪引くから絶対来て」とか言われて…いや、連行された感覚かもしれない。
…と、唯波の部屋で寝ている俺は考えた。
記憶が曖昧だった、熱を出していたようだ。
俺は1人暮らしだから、家に帰らなくても大丈夫だ、だけども、まさか女の子の家に連れて行かれるなんて…何年ぶりだろうか…
「まだ熱が下がらないね…大丈夫?」
「心配するな、まだ下がるわけないだろ」
「んもーっ、そんなこと言わないで!ゆっくり寝なよ!!」
少し口調が荒い。怒っているのか…?
「悪いけど、流石に女の子の部屋で寝るのは無理があるし…」
「ごめんね、私も1人暮らしなの。だから、客室なんて無いんだ…ごめんねっ」
「…すみません」
看病してもらっているのに、なんてことを言うんだ、俺は。
…俺は聞きたかったことを思い出した。
「なんで、俺を助けたんだ?」
「…」
唯波は黙っている。言ってはいけなかったのか?
そう考えながら、答えを待つ。
「私は…頼りにならないかもしれない…
でも…『約束』したんです…」と答えた。
「その人って…」俺は咄嗟に口を出す。
「…はい…私の…『姉』です」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます