第12話「2人きりの登校」
気まずい…
なんで唯波と2人きりで登校しないといけないんだ…?
ちょっと待て、情報整理をさせてくれ。
たしか、俺の家に唯波が来て、なんか一緒に…登校しようだのなんだの言ってきて…今、こうなってるのか。
理解した。
「ゆーいと君?、寝不足?さっきからあくびがおおいでっすよぉ?」
唯波がからかってくる、あれ?こいつこんなキャラか?
俺の家の近くは人通りが少ない、だから「2人で登校中にイチャイチャしてる」なんてことは言われない。ていうかクラスで俺のことを知っているのは唯波ぐらいしかいないだろう。
「ていうか、唯斗君はなんで友達がいないの?」
…心に矢が刺さる、唐突すぎてなにも言えない。
たしかに俺に友達がいないのは合ってるかもしれない。なんせ、中学校以降、友達を作ったことが無いのだから。
「仕方ないだろ、俺には友達を作る能力がないんだよ、昔、いろいろあったからさ」
俺は唯波にこう返した。
「じゃあ、私が唯斗君の友達を作ってあげようか?」
…は?なんだって?
校門前、生徒会の人があいさつ運動をしてる。
その中のひとり、樹民冬真って奴に唯波が近づくと
「樹民君、唯斗君と友達になってくれないかな?」
と言い始める。
たしかに俺はこいつを知っている、確か、中学の頃、学年テストで唯香と競ってた奴だ。
「あーはい、いいですよ。始めまして、僕は樹民冬真って言います。よろしくね!」
「あ、はい、よろしくお願いします」
そう言って樹民と友達になった、
意外にも樹民は本を読むのが好きで、自分と似ている感じがした。だから、楽しかった。
友達もいいもんだなぁ…
そう思った。
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