第10話「違和感」
唯波が転校してきて1週間が経った。
唯波は本当に凄かった。いや、失礼かもしれないが
「バケモノ」って言った方がいいかもしれない。
新学期テストでは2位との差が20点以上空いての学年1位、さらには友情を深めるためのバスケットボール大会でたった1人で30得点以上をもぎ取るほどのやばい奴だった…
「…は?こいつまじで唯香の妹!?」
と内心思っていた。
そして早くも唯波に告白した男子が5人ほどいたと聞いた。しかも全員「No」の一言でフラれたとも
聞いた。
それでも、そんな彼女に聞きたいことが1つあった。
彼女は何故、俺のことを「唯斗君」と呼んだのか、
ただ、それだけが知りたかった。
…時間は経って放課後になる
「唯斗!帰ろーぜ!」謙吾が声を掛けてくる。
でも、俺は唯波に聞きたいことがあったから、
「すまん、ちょっと委員会の呼び出しがあるから
先に帰ってて」と「嘘」をついた。
…数分後、唯波が1人で帰っていくところを見た。
そして後をつける
「あのっ!宗高さん!」俺は唯波に言った。
「なんで、僕のことを『唯斗君』と言うのですか?」
唯波は少し驚いたようだったが、普通に話してくれた。
「だって、座席表に名前書いてるでしょ、それ見たら唯斗君だってことはわかるよ」
…なるほど、理解した。
ついでに唯波は、
「あと、私のことは唯波って呼んで、その方が言いやすいでしょ」
と言ってきた。
「そうか、わかったよ、唯波」俺はそう返した。
「うん、よろしい!またね、唯斗君」
そして、俺たちは帰路に就いた。
「ふふっ、やっぱりおねーちゃんの言ってた通り、カッコいいなぁ…唯斗君。まだ気づいてないようだし、もうちょっと知らない振りしてみよ…」
「君のことが、大好きになりそうだよ、唯斗君」
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